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事務所概略
事務所名
東京GODO会計
税理士 多勢 陽一
所長名
多勢 陽一
所在地
東京都江東区亀戸
6-2-3田辺ビル6F
電話番号
 フリーダイヤル  0120-77-2514
FAX番号
03-3684-2740
Eメール
tase-yoichi@tkcnf.or.jp
業務内容
・パソコン会計による月次決算支援業務
・独立、開業支援業務
・経営相談に関する業務
東京GODO会計は
TKC全国会会員です
TKC全国会
TKC全国会は、租税正義の実現をめざし関与先企業の永続的繁栄に奉仕するわが国最大級の職業会計人集団です。
東京税理士会 江東東支部所属

WHATs NEW

「ブレーキ」(2018/12/01)

『この20年間、馬車馬のごとく働いてきた。しがらみで身動きが取れなくなっていた組織に対して、コストカッターという悪役を引き受け、工場閉鎖、人員削減、調達改革を断行した。自信を失いかけていた会社に「コミットメント(目標必達)」の精神を植え付け、業績のV字回復を果たした立役者は俺だ。

 今や、全世界を飛び回ってトップブランドを確立し、世界一の販売台数を目指している。世界の拠点に自宅を構え、各国の要人をホームパーティーに迎え親密さを増すことでどれほど会社の業績に貢献してきたことか。

 その俺が、仕事に見合うだけの報酬を貰っているのだ。自宅が世界に点在しているのも仕事のためだ。それ以上の利益を会社にもたらしたし、これからもだ。』

 事業を伸ばすために、社長は公私の別なく働き続け、会社の命運を分ける決断と実行を迫られることを考えれば、社長業は自己中心的(カリスマ?)でなければ務まらないのも事実であり、プラスの側面でもある。

 自己中心的でワンマンな経営のマイナスの側面をあげれば、人を信用できなくなってしまうことか。行きつく果ては自分の都合よいことだけを信じ、都合の悪いことに耳を貸さなくなってしまい、自分の周りから正しい情報をもたらしてくれる人がいなくなり、軌道修正のチャンスを逸してしまう。

 このマイナスの側面にはどこかでブレーキをかけられるが、そのブレーキを自分のためのブレーキと感じる心の柔軟さを持ち合わせていたい。

「鬼門」(2018/11/01)

 消費税10%へのカウントダウンが始まり、政府からも禁じ手としていた消費税還元セール容認を検討したり、中小の小売店に限ってカード利用でのキャッシュレス決済で商品を買うと店が増税分の2%をポイント還元して、その分を政府が補助するという案、果ては商品券補助や現金給付の案も出ている。財政健全化のための消費増税なのだが、増税分をはき出す勢い

 背景には、4年前の5%から8%への税率引き上げ直後には個人消費が▲4.6%落ち込み、デフレに逆戻りし経済成長に急ブレーキがかかった苦い経験がある。

 時の政権にとって、消費税は鬼門中の鬼門、遡れば
昭和53年、大平内閣で一般消費税実施を決定したが翌年撤回。
昭和62年、中曽根内閣で提出された売上税法案は廃案。
昭和63年、竹下内閣で消費税導入が決定。
平成元年4月、消費税3%がスタート。7月に竹下首相の退陣。後継の宇野首相は参院選で消費税廃止を訴えた社会党に惨敗。
平成6年、細川内閣で税率7%の国民福祉税の導入を表明したが、白紙撤回し退陣。
平成9年、橋本内閣で消費税率5%に引き上げ、翌年の参院選で敗れ退陣。
平成24年、野田内閣で消費税増税(8%→10%)を含む社会保障・税一体改革法案が民主・自民・公明の3党で合意、直後の衆院選で民主党惨敗、安倍内閣発足。

 国民にとって、消費税≒アレルギー反応を物語っている。任期があと三年の安倍首相の人気が失速しませんように…。

「億 男」(2018/10/01)

 「人生に必要なもの。それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金さ」

落ちぶれたコメディアンが、病に冒されたバレリーナを励ましている。コメディアンが歌うように続ける。

 「戦おう。人生そのもののために。生き、苦しみ、楽しむんだ。生きていくことは美しく、素晴らしい。死と同じように、生きることも避けられないのだから」

 小説「億男」の書き出しは、チャップリンの「ライムライト」のこのシーンから始まる。主人公の一夫は、弟の借金を背負い込み、妻や一人娘と別れて暮らし、借金返済のための労働に明け暮れている。そんな一夫が当選した宝くじで3億円を手にしてから、「お金と幸せの答え」を見つけるストーリーが展開されていく。

 『「人間には自分の意思でコントロールできないことが三つある、何だかわかるかな?」

 「死ぬことと、恋することと、そのしてお金死ぬことも、恋することも、人間が誕生した時からそこにあったものだ。だけどお金だけが、人が自ら作り出したものなんだ。人の信用を形に変えたものがお金なんだよ。人間がそれを発明し、信じて使っている。だとしたらお金は人間そのものだと思わないか?だから信じるしかない。この絶望的な世界で、僕たちは人を信じるしかないんだ」』

 お金がなければ生きるのが難しい時代に、お金との関わりあい方を考えさせられる小説です。映画も封切られますが、ご一読をお勧めします。


「改正民法(相続法)」(2018/09/01)

 7月6日に民法が改正され、13日に公布された。今回の民法(相続法)の改正の目玉は、配偶者の居住権の保護だ。

 法務省民事局は、相続が開始し遺産分割を協議する段階では、すべて法定相続分に従って分割されることを大前提に考えているのか、配偶者が遺産の法定相続分を相続し、その中に居住用の不動産が入っていると、結果、現金を相続する割合が少なくなるため、配偶者が経済的に立ち行かなくなることを配慮して、居住用不動産を配偶者居住権とその負担付所有権と分離して相続することにより、配偶者が現金をより多く相続できる配偶者居住権を起案した。

 ちょっと待ってほしい。民法では900条で法定相続分を定めているが、906条で遺産分割の基準として、「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする」と定め、法定相続分には捉われていない。世間の多くの遺産分割協議では、法定相続分は置いといて、お母さんのこれからの暮らし方や相続人それぞれの事情を慮り円満に906条でいう遺産分割を決めているのが実情だろう。

 民法は877条で「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務がある」と規定しているが、扶養を義務と位置付けては、やらされ感が強くなる。父母がいて、祖父母が4人、曽祖父母が8人、高祖父母が16人、4世代でも30人のご先祖様がおり、30代遡ると、1,073,741,824人のご先祖様の末えいとして自分が在る、この事実を厳粛に受け止めれば扶養が義務であるものか。

「家なき子孫」(2018/08/01)

 我々の民族はキリスト教徒やイスラム教徒のように心の中に唯一絶対神を持っていません。従って、他人が見ていようといまいと神との契約を守るという概念があまりありません。では、敗戦までの日本人は何をもって己を律してしたのでしょうか。

 「家の名を挙げる」「家の名を辱めない」の言葉に象徴されるように「家」が行動規範の中心にあったのです。自分が属している「家」の名を穢さない事が道徳の根本であり、「世間様に対して顔向けできないような事をするな」が私たちの子供の頃の親の口癖であったのです。まさに「家」こそが、唯一絶対神的なものであったのです。ルースベネデクト女史は「菊と刀」の中で「家」には言及していませんが、「恥の文化は外面的強制力に基づいて善行を行う」と言っています。(新しい家族像の構築を「石川和夫著」)より)

 敗戦により昭和23年に施行された現行民法は、これまでの先祖から子孫へと一定の血縁者によって連綿と超世代的に承継される長男子が相続する家督制度を廃止し、一の夫婦で構成される個人を尊重した家族観と配偶者に重きを置いた共同相続を規定した。

 支配と服従からの解放、全体より個、男尊女卑から男女平等というヨコの家族観に光があたり近代化したが、先祖や親を尊敬し伝来の祭祀を大切にする、個と全体の連帯責任といったタテの家族観を封建的と切り捨ててよいのか。

 「家」をなくし、「恥」の文化をなくした民族はどこに流れていくのか。

「相続のギャップ?!②」(2018/07/01)

 一般的に、相続財産といえば、その人が亡くなった時点で持っていた財産と考えがちだが、民法903条で特別受益者の相続分を規定しており、話は単純ではない。

問:父親が1億円の財産を残して亡くなりました。相続人は母親がすでに亡くなっており、長男と長女だけです。父親から、昭和45年に長男は土地500万円、昭和55年に長女は現金500万円の贈与を受けています。さて、法定相続分で分けた場合、それぞれの相続分を計算しなさい。  

答:1億円+500万円+500万円=1億1000万円(相続財産)。長男 1億1000万円×1/2-500万円=5000万円長女 1億1000万円×1/2-500万円=5000万円。この答は、×。

 特別受益の価額は、その財産が相続開始の時においてなお原状のままであるものとみなして定める、と904条で規定しているので、贈与を受けた長男の土地が、値上がりして5000万円になっていれば、

1億円+5000万円+500万円=1億5500万円(相続財産)。長男 1億5500万円×1/2-5000万円=2750万円長女 1億5500万円×1/2-500万円=7250万円、と計算される。 「え~っ、どうして? 貰った時は同じ価額だったのに??」

 遺産分割で揉めて、家庭裁判所に調停を求めると往々にして出てくる話なのだが、こんな事態を避けるためには、遺産分割にあたっては特別受益の持ち戻しをしない旨、遺留分を侵害しない相続分を指定した遺言を残す方法がある。兄妹の仲が良く、特別受益を持ち出さずとも遺産分割が済めば、これに越したことはない。

「相続のギャップ?!①」(2018/06/01)

 『結婚した時に、「毎月、生活費は君に渡すね。残ったお金は君にあげるから好きにしていい」と言ってくれた優しい夫でした。』

 この返事は、ご主人が亡くなって、相続税の申告をした後の税務調査で、調査官が「奥様名義の預金がありますが、これは亡くなったご主人の収入から蓄えられた預金なので、ご主人の相続財産に含まれませんか」との問いかけに対してのモノ。

 世の奥様方を敵に回す問いかけなのですが、「私たち、妻の大変な家事労働、子育ては無償の行為で、自分名義の預金は蓄えていけないということですか」と、税務上の考え方と一般の我々の考え方に大きなギャップがある。

 国税不服審判所の裁決でも、 

 「本件、預貯金については妻名義となっているものの、その原資は被相続人が拠出したものであって、被相続人から妻への生活費の余剰金の贈与を認めるに足りる証拠も見当たらないことから、被相続人に帰属すると認めるのが相当と判断する。

 相続人が主張する贈与契約については、仮に被相続人が生活費の余剰分は自由に使ってよい旨言われていても、渡された生活費の法的性質は夫婦共同生活の基金であって、余剰を妻名義の預金等としたとしてもその法的性質は失われないと考えられる」と厳しい。

 夫婦間に限らず、親子間の資金移動があった場合、その財産の帰属先、贈与の有無など、あちらとこちらの考え方のギャップは埋まらない。

「安倍庵のお粗末」(2018/05/01)

 「もり(森友)とかけ(加計) 臼(ウソ)で捏ねたそば(側近) 食い違う」と風刺したくなる茶番をいつまで見せつけるのだろうか。

 『社員が働きがいをもって気持ちよく仕事ができるかどうか、将来にわたって経済的に安定した生活が送れるかどうか。経営者は、社員の人生を良くも悪しくもできる存在である。だから社員は、なかなか「それは違いますよ」と社長に正面切って反対はしにくい。上下関係を大切にする日本の風土の中ではなおさらだ。

 それにもかかわらず、権力を手にする意味について自覚がない経営者が案外多い気がする。そのような人は裸の王様になりやすく、物事が日々変化する中で、深刻な危機の到来を事前に察知できず組織全体を滅ぼしかねない。誰でも自分を戒めるのは難しいものだ。重要なのは、自分が本当は非力な存在であると自覚することだろう。

 経営者がイエスマンで周りを固めるのではなく、率直に諫言してくれる人を置けばいいのだが、案外これができない。

 もうひとつ付け加えれば、苦言を呈してくれる家族の存在も貴重だ。私の家でも我が妻は、時には問題を率直に指摘してくれる、ありがたい存在である。』(日経ビジネス 賢人の警鐘 川野幸夫 より抜粋)

 徳川家康は、「主君に対する諫言は、一番槍よりも値打ちがある」と言い残しているが、諫言するはずの、ありがたい妻や友も一緒に裸の王様を演じてしまった安倍庵のお粗末、さて、どうなることやら。

「見え消し」(2018/04/04)

 48年前、福島商業高校に入学した。商業高校に入って買いそろえたものは、そろばん、青とのインク瓶とそれぞれのつけペン(まだ、電卓が普及する前の事、万年筆は高価で青・用の二本も買えなかった)。借方・貸方の仕訳を教わる前に会計帳簿の書き方から簿記の授業が始まった。

 会計帳簿の記入はペンのみを使用。会計帳簿に記入する文字の大きさは行間の2/3、数字の大きさは行間の1/2で書くこと。数字の記入を間違えた時は、一文字間違えても全部を赤ペンで二重線を引き、行間の余白部分に正しい数字を書き入れる。絶対に修正液や砂消しなどで直してはいけない、と「見え消し」を教え込まれた。

 記録を残す、という目的で作成される会計帳簿に「見え消し」は必須で、訂正前と訂正後の記載内容の履歴が客観的に確認できる仕組みになっているからこそ会計帳簿の信頼性が担保されている。

 公文書は、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るもので、行政文書等の適正な管理により、行政が適正かつ効率的に運営され、現在および将来の国民に説明する責務を全うするものと「公文書の管理に関する法律」の第1条、目的条項で謳っている。

 森友学園問題で揺れる財務省。破棄されたはずの公文書がすったもんだの挙句、書き換え前と後の対比表で公開されたが、まだ財務省の役人の中に「見え消し」の矜持が残っていたことがせめてもの救いではある。

「マックジョブ」(2018/03/03)

 マックジョブとは、独創性がなく、機械的な動作を繰り返すだけの職種をさす造語で、マクドナルドのような仕事からもじられたもの。アメリカでは中産階級がかつて就いていた職が移民や新興国に奪われ、減らされていることを強調するために使われている。AIやロボットにとって代られる定型的な仕事の代名詞ともなっている。

 今日の世界の大財閥モルガン、創始者の青年時代は貧乏だった。彼は街頭でタバコ売りをして日銭を稼いでいた。ある日、モルガン青年の所に、乞食に近いような女の人がタバコを一箱、買いに来た。モルガン青年は「実に優しく、もう、この人のタバコ以外は私は一生買わないわ」とその女の人が思い込むほどくらいに、素晴らしい親切さと快適さで売っていた。モルガンは、お客様に生涯の選択をさせるほどの快適さというものを与えるムード作りを常に実行し、彼はいかなる場合でも、常に無制限にお客様が増えた、という逸話が残っている。 

 小笠原流礼法では、『相手の「呼吸に合わせること」は、相手と「心が通うこと」に通じるのです。「息が合う」「息を合わせる」という言葉があるように、相手の呼吸に合わせられれば「この人とは気があうな」と好印象を持ってもらえます』とお辞儀の極意を説いている。

タバコを売るという行為に、心が込められていなければ、モルガン青年のマックジョブは自動販売機にとって代られる運命にあったに違いない。

「相続、より、添う族」(2018/02/02)

 配偶者の優遇を強く打ち出した、相続関係の民法改正要綱案が取りまとめられ国会で審議されることになった。

 配偶者が相続開始時に居住していた建物に住み続ける権利「配偶者居住権」を新設したり、婚姻期間が20年を超える場合に、配偶者が生前贈与や遺言で譲り受けた住居(土地・建物)を遺産分割の計算対象とみなさないようにするなど、配偶者がより多く相続できる仕組みが盛り込まれている。

 背景には、夫の相続時に法定相続分通りに遺産分割を行うと、妻が1/2、子が1/2となり、妻が居住用の住宅を相続すると現預金を相続する割合が少なくなり経済的に困窮してしまう、そんな事態を避けるための改正案となっている。

 民法は世間の常識を書き映すものだが、ここまで民法に規定しないと先立たれた妻が生活していけない世の中になったのか、という思いがある。確かに民法900条では法定相続分をうたっているが、法定相続分による遺産分割が相続人の権利であるとすれば、民法730条には「直系血族及び同居の親族は、互いに扶(たす)け合わなければならない」 民法877条には、「直系血族及び兄弟姉妹は、お互いに扶養する義務がある」と家族の扶養義務も謳っている。

 親のスネをかじりながら育ててもらい、親の財産形成には何一つ貢献できていない我が身を顧みれば、法定相続分の権利の主張などおこがましい、と家族へ寄り添う気持ちがあれば遺産分割で揉めようもない。 

「税は国家なり2018」(2018/01/01)

 国家を形成し、運営するために税収は不可欠であり「税は国家なり」と言われる所以でもある。国家予算に占める国債費・社会保障費のウエイトが高まり、税制が硬直化している。毎年の税制改正では国のやりたいこと(国民にとっては負担?)が色濃く反映される。平成30年度の税制改正を平たく解説すると、

① 個人の収入源が多様化しているので、給与収入の給与所得控除、年金収入の公的年金控除、事業所得者の青色申告特別控除をそれぞれ10万円引き下げ、そのかわりに基礎控除を10万円引き上げることを基本にして、低所得者に配慮しつつ高所得者には今まで以上の税負担をお願いする。経済的な余裕のない若者が増加しており、なんとしても結婚・出産につながる方策を打ち出したい。

② 賃上げを促すための所得拡大促進税制を見直し継続するので、従業員の賃上げを積極的におこなってください。

③ 中小企業の経営者が高齢化し中小企業数が激減する事態を避けるため、事業承継税制を10年間の特例として拡充し、中小企業の株式について贈与・相続による事業承継を行う場合、100%の納税猶予(実質の納税減免)により納税負担を生じないようにするので多くの中小企業の存続を願っています。合わせて経営者の個人保証によるネックも解消できるよう検討します。

④ 平成31年10月に消費税10%、低所得者への配慮のための軽減税率制度について安定的な恒久財源(酒・タバコ税アップ?)を確保します。

「アインシュタインのモグラ」(2017/12/08)

  • 『行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶ泡沫は、かつ消え、かつ結びて、久しく留まりたるためしなし。世の中にある、人と栖と、またかくの如し。』(方丈記 鴨長明)
  • 『祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり』(平家物語)

 ともに「世の中のすべては変化し、移り行くものだ」という仏教の無常観で始まる有名な古典の書き出しです。
 自分を含めた世の中は変化し続けるのだから、自分も変化を受け入れ変わっていかなければならないのに、変化への対応には苦痛を伴う努力が求められる。やっぱり痛いから、ついつい昨日のやり方に安住してしまう。

アインシュタインは、

『人は、自分だけのために小さな世界を創造します。そして、変化し続ける真の存在の偉大さと比較したら悲しいほどに無意味というのに、自分を奇跡のように大きく重要であると感じるのです。自分で掘った穴の中に潜むモグラのように』と言葉を残しています。

 経済の循環サイクルが短くなり投資の回収もままならず、インターネット・AI機能の発達で既存のままのビジネスは窮地に追い込まれてきます。
 こんな時だからこそ、「自分の得意分野で勝負する」の原点に立ち返りたい、そもそも隣の青く見える芝で成功するノウハウも持ち合わせていないし。等身大の能力で自分の得意分野を徹底的に掘り下げる可能性に挑戦し続けるモグラだったらアインシュタインも頷いてくれる。

「癌から身を守るには、どうしたらいいでしょうか?」(2017/11/11)

 人の細胞は、その1~2%が毎日死ぬので減った分を補うため細胞分裂を繰り返す。細胞分裂の際のコピーミスでがん細胞が生まれる。

  がんの原因の1/3が①タバコ、さらに1/3が②喫煙以外の食生活・飲酒や感染などの生活習慣、残りの1/3が③「運」


① タバコの煙に含まれる発がん性物質がノドや肺のがんを増やし、その発がん性物質は肺から血液を通じて全身に運ばれ、すい臓がん、肝臓がんなどの難治性のがんの発症も高めてしまう。喫煙者の同居人は、副流煙を吸わなくても喫煙者のはく息に発がん性物質が含まれ受動喫煙をしてしまう。


② 胃がんの95%がピロリ菌への感染に起因しており、ピロリ菌で慢性的な炎症状態になるとコピーミスの確率が高まり、塩分の多い食事はピロリ菌による炎症を助長するのでキケン。熱いものも食道の粘膜を傷つけ、発がんのリスクを高める。遺伝による発がんは全体の5%程度だが、同じ生活習慣の家族に発がん率が高まる。
  お酒を飲むと顔が赤くなる人、二日酔いのひどい人は、アルコールに由来する発がん性物質を十分に分解できていない証拠、飲みすぎはキケン。最悪なのは酒と同時にタバコを吸う場合、食道がんのリスクは急激に高まる。


③ 加齢とともにコピーミスの頻度が高まり、免疫の働きも衰えるので誰でもがんになる確率が高まる。早期発見と早期治療でがんは治癒できる。
                      (「世界一受けたい、がんの授業」東大医学部 中川恵一教授より)

「財源を気にせず、タレ流れる公金の如し」(2017/10/10)

 宝くじを買って何が楽しいって、抽選日まで当選金を何に使うか、思い描く時間が楽しい。最初は2等、1,000万円が当たったらとあれこれ思い描き、慎ましいが、使い道を計算するととても2等では済まなくなってしまい、夢は膨らむ一方。大方は抽選日に当選番号を確認して儚い夢と消えていくのだが…。

 消費増税分の使い方変更を衆議院解散の大義と銘打つのは、宝くじの儚い夢を国民に押し付けていないか。
 消費税を5%から10%へ引き上げる増税分は年金・医療・福祉の社会保障と財政健全化のため国債返済にのみ使用することが決まっている。その増税分を幼児教育の無償化や高等教育の負担軽減に使うとなれば、国民の審判を仰ぐのも筋だ。ただ、高等教育はさておき、幼児教育の無償化に反対する立候補者の当選は難しいとなれば、争点にすらならない。
 消費増税5%分、10兆円の財源にゆとりがあり、使い道に困っているのならこの話に乗れるが、将来、年金・医療で10兆円程度の予算の上積みでは足りないことが判っているのに、幼児教育の無償化まで消費税5%増税分に組み入れれば、絶対に当たらない宝くじの儚い夢を売るようなもの。

 日本政府(親会社)が発行する国債の40%を日本銀行(子会社)が保有しており、支払う金利も子会社の収益になるので連結決算でみればすべて相殺と割り切り国債で子供たちに投資をすると明言し、しかも、詭弁のない行政府でお願いしたい。

「小事を気にせず、流れる雲の如し」(2017/09/09)

 安倍内閣は「働き方改革実現会議」を設置し、長時間労働是正や非正規労働者の処遇改善などの実行計画をまとめ、時短と消費の切り札としてプレミアムフライデーまで出現した。
 土曜日に登校したり、出社するのが当たり前だった昭和育ちの身としては隔世の感がある。勤務時代、夏の間だけ半ドンになった土曜日、職場の先輩と明るいうちからビアガーデンに繰り出し一軒で終わらずハシゴ酒をしたのも懐かしく、BGMはまさにサタデーナイトフィーバー。

 過労死を招くような長時間労働の是正は是非とも必要だが、時短だけでは経済は停滞する、との産業界の声に、今度は生産性向上と人づくり革命のために「みんなにチャンス!構想会議」を立ち上げ、幼児教育、大学教育の無償化を打ち出し、高度な人材を育て生産性向上と労働時間の削減を目指す方針だ。確かに、人口増加のためには子育てしやすい環境整備は不可欠だが、その幼児教育の無償化の財源には新たな社会保険方式の活用を見込んでいる。

 毎年9月に、料率が上がってきた厚生年金保険料アップも今年が最後で来年以降は固定化される。ヤレヤレと思っていた矢先、今度はこども保険料の新設で、また社会保険料の負担が増えていくのかしら。

 「小事を気にせず、流れる雲の如し」は、江戸時代に人材活用を説いた儒学者・荻生徂徠の「徂徠訓」の一節だが「財源を気にせず、タレ流れる公金の如し」にならないように!!

「年金の壁」(2017/08/08) 

  8月から年金制度が変わった。従来は、原則25年(300ヵ月)以上、保険料を支払っていれば(免除期間との通算を含む)受給資格期間を満たして年金を受け取ることができる。逆に299ヵ月までの加入期間では年金は支給されなかった。

 年金の25年の壁が8月から10年に短縮され、今回の制度改正で10年の受給資格期間を満たしていれば9月分から初回の受取りは10月15日となる。「どうせ自分は貰えない」と年金の支払いを躊躇っている人を含め、今までの年金加入期間を確認しておくべきだ。

 もう一つ、老齢厚生年金に20年(240ヵ月)の壁がある。老齢厚生年金には「加給年金」という制度があり、65歳未満の配偶者や18歳未満の子がいる場合に適用になる。厚生年金の加入期間20年(240ヵ月)以上が「加給年金」が支給される要件の一つにある。「加給年金」の支給額はケースによって異なるものの、65歳未満の配偶者が65歳になるまで、受給者本人に年額22万円程度が支給される。配偶者が65歳になると支給停止されるが、配偶者が昭和42年4月1日以前の生まれであれば65歳以降について配偶者の老齢基礎年金に加算が付く、お得な制度となっている。

 公的年金は度重なる制度改正で複雑になっているが、加入期間に比例して受給額が増える仕組みになっており、国民年金と厚生年金の二階建てになっている関係から厚生年金の加入期間が長いほど有利な条件となり、配偶者が年下でればさらに有利ということになる。

「儀右衛門 無念」(2017/07/03) 

  『灯は必要品であって闇夜に太陽・月の役目を果たし、ろう油を並行して使用すれば長く消えることはない。
 ろうそくは高価であり、ろうそくが燃え切ってから補充することが煩わしい。油灯は安価で、ろうそくより明かるのでつまずいて転ぶことを防ぐことができる。欠点が除かれ光を明るくできれば、永く家の中で重宝する。(中略)

 一たび油を灯芯に施せば、人体内の血液のように、昇降循環して休むことはない。そのため無尽燈と名付けた。燃えきりがなく、芯切りも不要で、手数のかかることはない。明暗調節は好みのままで、その光度を試験したところ、諸灯の中で最も卓越している』(無尽燈銘板の現代語訳・東芝未来科学館)

 東芝の創始者である、からくり儀右衛門こと田中儀右衛門(久重)が発明し売り出した無尽燈に刻まれた宣伝文句であるが、その東芝が消滅の危機に瀕している。発端が、現代の無尽燈とも考えられていた原子力事業でのアメリカ子会社の巨額損失にあることも皮肉なことだ。

 しかも、東芝の経営陣は決算数値など明暗調節好みのままと高を括り粉飾決算に手を染め、東芝を取り巻く監査法人や銀行までもが保身に走った結果、傷口を大きく広げ、つまずき転び、満身創痍の事態となっている。

 「知識は失敗より学ぶ。事を成就するには、志があり、忍耐があり、勇気があり、失敗があり、その後に、成就がある」儀右衛門が言い残した、この発明家魂こそ教訓としたい。

「忖度 それとも 阿る」(2017/06/06)

 森友に続き、加計にまで忖度(そんたく)が広がっている。忖度=他人の気持ちを推し量り、その気持ちを汲み取る、とまさに謙譲の美徳とも言うべきもの。

 「あの人は、きっとこのように考えているから、私があの人の喜ぶ、こんな行動を取ったら喜んでくれるに違いない」人は、共同体の中でコミュニケーションを取らなければ生きていけない動物なので、忖度は共同体における潤滑油といってもいい。

 「忖度」ではなく、阿る(おもねる)だったら始末が悪い。「阿」は丘の曲がった所という意味があり、転じて、阿る=自分の気持ちを曲げて人の喜ぶようなことを言ったり、気にいられようとすること、と阿るは諂う(へつらう)に限りなく近づいてしまう。「忖度」も「阿る」もこちら側の思う行為なのだが、自分の気持ちに真直ぐかどうかが「忖度」と「阿る」の分かれ目になる。

 加計の場合、岩盤規制の緩和と抵抗勢力の反旗という構図に「忖度」と「阿る」が絡みあい泥沼だが、上からの私心のご意向は論外として、上からのご意向と下の者が勝手に圧力をかけた場合、下の下からは自分の意思とは関係なく、すべて「阿る」になってしまう怖さがある。

 上に立つ者の心得えとして、TKCの創始者である、飯塚毅先生は「長たる者は、常に厳しく私心を超克し、光明に背面なしの境涯に徹し、全体の運命形成に奉仕し得る者でなければならない」と厳しく説いている。

「我が国第一主義って何だろう」(2017/05/05)

 「日本」という国が、国旗や国歌や国土以外のものとして存在しているのを、君は見たことがあるかい。それらは、日本の国旗、日本の国歌、日本の領土であって、その日本なんて、どこにもない。人々の観念の内にしかない。なのに人は、「日本」という国家が、外に物のように存在していると思って、それが観念であることを忘れて、その観念のために命を賭けて戦争したりする訳だ。ある角度からみると、それはとても不思議なことだ。観念のために命を捨てるなんて芸当ができるのは、生物のうちでも人間だけだからだ。

 「国家」というのは、複数の人の集まりという単純な定義以上のものではない。それ以上の意味は、人が作り出した観念だということだ。複数の人が集まれば、複数の観念が集まり、混合し、競い合って、その中で最も多くの人がそう思い込む観念が、その集団を支配することになる。

 自分に都合が悪いことはすべて、「社会が悪い」「社会のせいだ」という人がいる。でも、社会が自分の外にあると思っているのは、他でもないその人だ。自分でそう思い込んでいるだけなのに、じゃあその人はいったい何を責め、誰が悪いと言っていることになるのだろう。

 社会と変えようとするより先に、自分が変わるべきなんだとわかるね。何でもすぐ他人のせいにする態度を変えるべきなんだ。だって、すべての人が他人のせいにしあっている社会が、よい社会であるわけがないじゃないか。

(14歳からの哲学 池田晶子著より)

「オルタナティブファクト(代替えの真実)」(2017/04/03)

 トランプ大統領の就任式に集まった観衆は過去最少と報じたメディアに対して、トランプ側近からネット上の視聴者を加えれば過去最高と「オルタナティブファクト(代替えの真実)」として反論したことでオルタナが一躍有名に…

 行為は一つだが、そこに関わる人たちの立場や見方によって関わる人たちの数だけ事実が生まれ、自分から見えたものだけが真実と錯覚してしまう。自分だけで思っている分には罪もないが、他人への主張が始まると始末が悪い。なにせ人の数だけそれぞれの真実があるのだから。

 「不都合な真実」というドキュメンタリー映画は世界中に地球温暖化問題を提起したが、当時の米国ブッシュ政権は「地球温暖化など単なる学問上の仮説で、温暖化現象は現実に確認されていない」と公式に温暖化を否定した。他方では、内容に事実誤認やデータの誇大化によりセンセーショナリズムが勝るとの批判もあり、どれがオルタナなのか、判別がつきにくい事態にもなる。

 オルタナは悪ものか。「自分さえ良ければ他はどうでもいい、他人のことなどかまっていられない」と利己的になれば主張と主張がぶつかり双方が嘘だと罵りあうことになる。集団に所属している一員としての役割や権利をお互いに尊重しあう、「利他」が「利己」に優れば貴重な提案となりうる

 キーボードのオルト(Alt)キーは、普段大人しいがマウスが使えない困った時やPCのトラブルを救ってくれる頼もしいヤツなのだ。

「年を取るのもいいもの恕」(2017/03/06)

吾れ
十有五にして学を志ざす。
三十にして立つ
四十にして惑わず
五十にして天命を知る
六十にして耳順う
七十にして心の欲する所に従って矩をこえず

子貢(弟子)問うて曰く、
一言にして、以って身の終わるまで之れを行う可き者有りや
孔子曰く、
それ恕か、己の欲せざる所を、人に施すことなかれ
(論語・孔子)

 60歳になり、人の言葉を素直に聞けるようになり、70歳になって自分の思うどおりに自由にやっても、ルールを外すことがなくなった。

「人生死ぬまで一番大事なことは何ですか」との問いに、孔子は「恕=思いやりだよ、自分がされて嫌なことは相手にもしないことだな」と賢い年の取り方を諭している。
 この人生の重ね方、アメリカの某や北朝鮮の某に学ばせたい。

「時代錯誤」(2017/02/10)

 「俺たちの古き良き時代を取り戻してくれ」と経済の豊かさを実感できないアメリカ一般庶民の熱い期待で誕生したトランプ大統領は、すべての利益は俺たちへとアメリカ第一主義を鮮明に打ち出している。

 誰かが利益を得れば、誰かがその損失を被ることが明確に確認できるゼロサム社会で、俺たちだけが豊かになることだけを目指す(裏を返せば他は貧困に突き落されても構わない)、と世界で一番の権限を持つ男が軽々しく言っていいのかしら。

 マクロ経済では、経済成長による豊かさの実感=エネルギー消費量の増加に比例、と捉えられている。すべての人に食料が満ち溢れ、便利な工業製品が身の回りにある世の中は、膨大なエネルギーの消費によって生み出され、より豊かな生活はより多くの化石燃料の消費によって実現されている。

 俺たちの良かった時代、石油資源は無尽蔵にあると無制限に増産されたエネルギーを多くの人々で分かち合え、経済成長の豊かさを皆で享受することができた。近年、経済成長の基となる石油、石炭、天然ガスなど化石燃料の産出はピークを迎え産出量を伸ばせないため、全世界的な景気停滞を引き起こしていると言われている。

 エネルギーの産出量を増加できなくてもエネルギーの利用効率を上昇させれば、結果として享受できるエネルギーの総量は増加するので、豊かさが実感できる社会を築くことができる。

 日本でアメ車が売れないのは、エネルギー効率が悪すぎるからですね、トランプさん。

「税は国家なり2017」(2017/01/10)

 国家を形成し、運営するために税収は不可欠であり「税は国家なり」と言われる所以でもある。毎年の税制改正では国のやりたいこと(国民にとっては負担?)が色濃く反映される。平成29年度の税制改正を平たく解説すると、

「働き方改革」として主婦が就業調整を意識しないで済む仕組みを構築するため、配偶者控除・配偶者特別控除を見直し、103万円の壁を150万円の壁まで引き上げます。これにより不足する税収は、所得1000万円超の高所得者には両控除の適用を認めないことで穴埋めします。

①だけでは不十分なので、今後、税制・社会保障制度・労働政策を総合的に見直し、所得控除をやめ税額控除方式などを導入して所得の高い層を増税し、その税収で若い世代や子育て世代を助けることを予告しておきます。

生産性の抜本的な向上のため、中小企業者が経営力向上計画で認を受けた固定資産を購入した場合、即時全額償却7%の税額控除を認めるので「攻めの投資」で設備投資をお願いしたい。

賃上げを促すための所得拡大促進税制を見直し継続するので、従業員の賃上げを積極的におこなってください。

ちょっと先(平成32~38年)になるけど、ビールと清酒を減税、第3のビール、チューハイ、ワインを増税して酒税の均一化を目指します。

地方創生の一環で空港などに到着時免税店を導入するので、海外旅行のお土産は日本に帰国してから入国審査前に空港内で買ってね。

平成31年10月に消費税10%、軽減税率の導入も忘れてはいません。


消費税率を上げてもGDPが増えない限り、税収は増えないことが証明され、安倍首相は「働き方改革」「攻めの投資」でGDP600兆円、税収60兆円を目指す。