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事務所概略

事務所名
東京GODO会計
税理士 多勢 陽一
所長名
多勢 陽一
所在地
東京都江東区亀戸
6-2-3田辺ビル6F
電話番号
 フリーダイヤル  0120-77-2514
FAX番号
03-3684-2740
Eメール
tase-yoichi@tkcnf.or.jp
業務内容
・パソコン会計による月次決算支援業務
・独立、開業支援業務
・経営相談に関する業務
お問合せ
東京GODO会計は
TKC全国会会員です
TKC全国会
TKC全国会は、租税正義の実現をめざし関与先企業の永続的繁栄に奉仕するわが国最大級の職業会計人集団です。
東京税理士会 江東東支部所属

WHAT's NEW 2018

WHATs NEWバックナンバー

「税は国家なり(2019)」(2018/12/25)

 国家を形成し、運営するために税収は不可欠であり「税は国家なり」と言われる所以でもある。毎年の税制改正では国のやりたいこと(国民にとっては負担?)が色濃く反映される。2019年度の税制改正案を平たく解説すると、

①何としても消費税率を10%に引き上げたい。国民生活に悪影響がない様、食料品と新聞に関しては8%の軽減税率まで用意しているのですから。

②増税後の消費の冷え込みを心配しています。自動車購入時の税負担を1年間軽減するので10月以降も新車を購入してほしい。

③同じく、住宅取得控除も10年から13年に延ばし手厚くし、すまい給付金も50万円つけて家電品の購入の後押しをするので住宅も購入してほしい。

④事業者の皆様への配慮も忘れていません。増税前の駆け込み需要・反動減対策として、「2%値下げ」と銘打った値引きセールや消費増税のタイミングでの便乗値上げも容認します。ただし、「消費税還元セール」といった消費税を払わないで済むと誤解を招く宣伝はしないでほしい。

⑤中小企業の事業承継特例税制に続き、個人事業者の事業承継に際して事業用資産の贈与税・相続税の納税猶予を創設するので、後継者の皆さん、お父さんの仕事を継いでください。

消費税改正で4.6兆円の税収増加が見込まれるので、今回の税制改正では国民の皆様への更なる増税は極力控えさせて頂きました。景気が冷え込まず、賃金も上がることで法人税・所得税の税収の伸びも期待しています。

「ブレーキ」(2018/12/01)

『この20年間、馬車馬のごとく働いてきた。しがらみで身動きが取れなくなっていた組織に対して、コストカッターという悪役を引き受け、工場閉鎖、人員削減、調達改革を断行した。自信を失いかけていた会社に「コミットメント(目標必達)」の精神を植え付け、業績のV字回復を果たした立役者は俺だ。

 今や、全世界を飛び回ってトップブランドを確立し、世界一の販売台数を目指している。世界の拠点に自宅を構え、各国の要人をホームパーティーに迎え親密さを増すことでどれほど会社の業績に貢献してきたことか。

 その俺が、仕事に見合うだけの報酬を貰っているのだ。自宅が世界に点在しているのも仕事のためだ。それ以上の利益を会社にもたらしたし、これからもだ。』

 事業を伸ばすために、社長は公私の別なく働き続け、会社の命運を分ける決断と実行を迫られることを考えれば、社長業は自己中心的(カリスマ?)でなければ務まらないのも事実であり、プラスの側面でもある。

 自己中心的でワンマンな経営のマイナスの側面をあげれば、人を信用できなくなってしまうことか。行きつく果ては自分の都合よいことだけを信じ、都合の悪いことに耳を貸さなくなってしまい、自分の周りから正しい情報をもたらしてくれる人がいなくなり、軌道修正のチャンスを逸してしまう。

 このマイナスの側面にはどこかでブレーキをかけられるが、そのブレーキを自分のためのブレーキと感じる心の柔軟さを持ち合わせていたい。

「鬼門」(2018/11/01)

 消費税10%へのカウントダウンが始まり、政府からも禁じ手としていた消費税還元セール容認を検討したり、中小の小売店に限ってカード利用でのキャッシュレス決済で商品を買うと店が増税分の2%をポイント還元して、その分を政府が補助するという案、果ては商品券補助や現金給付の案も出ている。財政健全化のための消費増税なのだが、増税分をはき出す勢い

 背景には、4年前の5%から8%への税率引き上げ直後には個人消費が▲4.6%落ち込み、デフレに逆戻りし経済成長に急ブレーキがかかった苦い経験がある。

 時の政権にとって、消費税は鬼門中の鬼門、遡れば
昭和53年、大平内閣で一般消費税実施を決定したが翌年撤回。
昭和62年、中曽根内閣で提出された売上税法案は廃案。
昭和63年、竹下内閣で消費税導入が決定。
平成元年4月、消費税3%がスタート。7月に竹下首相の退陣。後継の宇野首相は参院選で消費税廃止を訴えた社会党に惨敗。
平成6年、細川内閣で税率7%の国民福祉税の導入を表明したが、白紙撤回し退陣。
平成9年、橋本内閣で消費税率5%に引き上げ、翌年の参院選で敗れ退陣。
平成24年、野田内閣で消費税増税(8%→10%)を含む社会保障・税一体改革法案が民主・自民・公明の3党で合意、直後の衆院選で民主党惨敗、安倍内閣発足。

 国民にとって、消費税≒アレルギー反応を物語っている。任期があと三年の安倍首相の人気が失速しませんように…。

「億 男」(2018/10/01)

 「人生に必要なもの。それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金さ」

落ちぶれたコメディアンが、病に冒されたバレリーナを励ましている。コメディアンが歌うように続ける。

 「戦おう。人生そのもののために。生き、苦しみ、楽しむんだ。生きていくことは美しく、素晴らしい。死と同じように、生きることも避けられないのだから」

 小説「億男」の書き出しは、チャップリンの「ライムライト」のこのシーンから始まる。主人公の一夫は、弟の借金を背負い込み、妻や一人娘と別れて暮らし、借金返済のための労働に明け暮れている。そんな一夫が当選した宝くじで3億円を手にしてから、「お金と幸せの答え」を見つけるストーリーが展開されていく。

 『「人間には自分の意思でコントロールできないことが三つある、何だかわかるかな?」

 「死ぬことと、恋することと、そしてお金死ぬことも、恋することも、人間が誕生した時からそこにあったものだ。だけどお金だけが、人が自ら作り出したものなんだ。人の信用を形に変えたものがお金なんだよ。人間がそれを発明し、信じて使っている。だとしたらお金は人間そのものだと思わないか?だから信じるしかない。この絶望的な世界で、僕たちは人を信じるしかないんだ」』

 お金がなければ生きるのが難しい時代に、お金との関わりあい方を考えさせられる小説です。映画も封切られますが、ご一読をお勧めします。


「改正民法(相続法)」(2018/09/01)

 7月6日に民法が改正され、13日に公布された。今回の民法(相続法)の改正の目玉は、配偶者の居住権の保護だ。

 法務省民事局は、相続が開始し遺産分割を協議する段階では、すべて法定相続分に従って分割されることを大前提に考えているのか、配偶者が遺産の法定相続分を相続し、その中に居住用の不動産が入っていると、結果、現金を相続する割合が少なくなるため、配偶者が経済的に立ち行かなくなることを配慮して、居住用不動産を配偶者居住権とその負担付所有権と分離して相続することにより、配偶者が現金をより多く相続できる配偶者居住権を起案した。

 ちょっと待ってほしい。民法では900条で法定相続分を定めているが、906条で遺産分割の基準として、「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする」と定め、法定相続分には捉われていない。世間の多くの遺産分割協議では、法定相続分は置いといて、お母さんのこれからの暮らし方や相続人それぞれの事情を慮り円満に906条でいう遺産分割を決めているのが実情だろう。

 民法は877条で「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務がある」と規定しているが、扶養を義務と位置付けては、やらされ感が強くなる。父母がいて、祖父母が4人、曽祖父母が8人、高祖父母が16人、4世代でも30人のご先祖様がおり、30代遡ると、1,073,741,824人のご先祖様の末えいとして自分が在る、この事実を厳粛に受け止めれば扶養が義務であるものか。

「家なき子孫」(2018/08/01)

 我々の民族はキリスト教徒やイスラム教徒のように心の中に唯一絶対神を持っていません。従って、他人が見ていようといまいと神との契約を守るという概念があまりありません。では、敗戦までの日本人は何をもって己を律してしたのでしょうか。

 「家の名を挙げる」「家の名を辱めない」の言葉に象徴されるように「家」が行動規範の中心にあったのです。自分が属している「家」の名を穢さない事が道徳の根本であり、「世間様に対して顔向けできないような事をするな」が私たちの子供の頃の親の口癖であったのです。まさに「家」こそが、唯一絶対神的なものであったのです。ルースベネデクト女史は「菊と刀」の中で「家」には言及していませんが、「恥の文化は外面的強制力に基づいて善行を行う」と言っています。(新しい家族像の構築を「石川和夫著」)より)

 敗戦により昭和23年に施行された現行民法は、これまでの先祖から子孫へと一定の血縁者によって連綿と超世代的に承継される長男子が相続する家督制度を廃止し、一の夫婦で構成される個人を尊重した家族観と配偶者に重きを置いた共同相続を規定した。

 支配と服従からの解放、全体より個、男尊女卑から男女平等というヨコの家族観に光があたり近代化したが、先祖や親を尊敬し伝来の祭祀を大切にする、個と全体の連帯責任といったタテの家族観を封建的と切り捨ててよいのか。

 「家」をなくし、「恥」の文化をなくした民族はどこに流れていくのか。

「相続のギャップ?!②」(2018/07/01)

 一般的に、相続財産といえば、その人が亡くなった時点で持っていた財産と考えがちだが、民法903条で特別受益者の相続分を規定しており、話は単純ではない。

問:父親が1億円の財産を残して亡くなりました。相続人は母親がすでに亡くなっており、長男と長女だけです。父親から、昭和45年に長男は土地500万円、昭和55年に長女は現金500万円の贈与を受けています。さて、法定相続分で分けた場合、それぞれの相続分を計算しなさい。  

答:1億円+500万円+500万円=1億1000万円(相続財産)。長男 1億1000万円×1/2-500万円=5000万円長女 1億1000万円×1/2-500万円=5000万円。この答は、×。

 特別受益の価額は、その財産が相続開始の時においてなお原状のままであるものとみなして定める、と904条で規定しているので、贈与を受けた長男の土地が、値上がりして5000万円になっていれば、

1億円+5000万円+500万円=1億5500万円(相続財産)。長男 1億5500万円×1/2-5000万円=2750万円長女 1億5500万円×1/2-500万円=7250万円、と計算される。 「え~っ、どうして? 貰った時は同じ価額だったのに??」

 遺産分割で揉めて、家庭裁判所に調停を求めると往々にして出てくる話なのだが、こんな事態を避けるためには、遺産分割にあたっては特別受益の持ち戻しをしない旨、遺留分を侵害しない相続分を指定した遺言を残す方法がある。兄妹の仲が良く、特別受益を持ち出さずとも遺産分割が済めば、これに越したことはない。

「相続のギャップ?!①」(2018/06/01)

 『結婚した時に、「毎月、生活費は君に渡すね。残ったお金は君にあげるから好きにしていい」と言ってくれた優しい夫でした。』

 この返事は、ご主人が亡くなって、相続税の申告をした後の税務調査で、調査官が「奥様名義の預金がありますが、これは亡くなったご主人の収入から蓄えられた預金なので、ご主人の相続財産に含まれませんか」との問いかけに対してのモノ。

 世の奥様方を敵に回す問いかけなのですが、「私たち、妻の大変な家事労働、子育ては無償の行為で、自分名義の預金は蓄えていけないということですか」と、税務上の考え方と一般の我々の考え方に大きなギャップがある。

 国税不服審判所の裁決でも、 

 「本件、預貯金については妻名義となっているものの、その原資は被相続人が拠出したものであって、被相続人から妻への生活費の余剰金の贈与を認めるに足りる証拠も見当たらないことから、被相続人に帰属すると認めるのが相当と判断する。

 相続人が主張する贈与契約については、仮に被相続人が生活費の余剰分は自由に使ってよい旨言われていても、渡された生活費の法的性質は夫婦共同生活の基金であって、余剰を妻名義の預金等としたとしてもその法的性質は失われないと考えられる」と厳しい。

 夫婦間に限らず、親子間の資金移動があった場合、その財産の帰属先、贈与の有無など、あちらとこちらの考え方のギャップは埋まらない。

「安倍庵のお粗末」(2018/05/01)

 「もり(森友)とかけ(加計) 臼(ウソ)で捏ねたそば(側近) 食い違う」と風刺したくなる茶番をいつまで見せつけるのだろうか。

 『社員が働きがいをもって気持ちよく仕事ができるかどうか、将来にわたって経済的に安定した生活が送れるかどうか。経営者は、社員の人生を良くも悪しくもできる存在である。だから社員は、なかなか「それは違いますよ」と社長に正面切って反対はしにくい。上下関係を大切にする日本の風土の中ではなおさらだ。

 それにもかかわらず、権力を手にする意味について自覚がない経営者が案外多い気がする。そのような人は裸の王様になりやすく、物事が日々変化する中で、深刻な危機の到来を事前に察知できず組織全体を滅ぼしかねない。誰でも自分を戒めるのは難しいものだ。重要なのは、自分が本当は非力な存在であると自覚することだろう。

 経営者がイエスマンで周りを固めるのではなく、率直に諫言してくれる人を置けばいいのだが、案外これができない。

 もうひとつ付け加えれば、苦言を呈してくれる家族の存在も貴重だ。私の家でも我が妻は、時には問題を率直に指摘してくれる、ありがたい存在である。』(日経ビジネス 賢人の警鐘 川野幸夫 より抜粋)

 徳川家康は、「主君に対する諫言は、一番槍よりも値打ちがある」と言い残しているが、諫言するはずの、ありがたい妻や友も一緒に裸の王様を演じてしまった安倍庵のお粗末、さて、どうなることやら。

「見え消し」(2018/04/04)

 48年前、福島商業高校に入学した。商業高校に入って買いそろえたものは、そろばん、青とのインク瓶とそれぞれのつけペン(まだ、電卓が普及する前の事、万年筆は高価で青・用の二本も買えなかった)。借方・貸方の仕訳を教わる前に会計帳簿の書き方から簿記の授業が始まった。

 会計帳簿の記入はペンのみを使用。会計帳簿に記入する文字の大きさは行間の2/3、数字の大きさは行間の1/2で書くこと。数字の記入を間違えた時は、一文字間違えても全部を赤ペンで二重線を引き、行間の余白部分に正しい数字を書き入れる。絶対に修正液や砂消しなどで直してはいけない、と「見え消し」を教え込まれた。

 記録を残す、という目的で作成される会計帳簿に「見え消し」は必須で、訂正前と訂正後の記載内容の履歴が客観的に確認できる仕組みになっているからこそ会計帳簿の信頼性が担保されている。

 公文書は、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るもので、行政文書等の適正な管理により、行政が適正かつ効率的に運営され、現在および将来の国民に説明する責務を全うするものと「公文書の管理に関する法律」の第1条、目的条項で謳っている。

 森友学園問題で揺れる財務省。破棄されたはずの公文書がすったもんだの挙句、書き換え前と後の対比表で公開されたが、まだ財務省の役人の中に「見え消し」の矜持が残っていたことがせめてもの救いではある。

「マックジョブ」(2018/03/03)

 マックジョブとは、独創性がなく、機械的な動作を繰り返すだけの職種をさす造語で、マクドナルドのような仕事からもじられたもの。アメリカでは中産階級がかつて就いていた職が移民や新興国に奪われ、減らされていることを強調するために使われている。AIやロボットにとって代られる定型的な仕事の代名詞ともなっている。

 今日の世界の大財閥モルガン、創始者の青年時代は貧乏だった。彼は街頭でタバコ売りをして日銭を稼いでいた。ある日、モルガン青年の所に、乞食に近いような女の人がタバコを一箱、買いに来た。モルガン青年は「実に優しく、もう、この人のタバコ以外は私は一生買わないわ」とその女の人が思い込むほどくらいに、素晴らしい親切さと快適さで売っていた。モルガンは、お客様に生涯の選択をさせるほどの快適さというものを与えるムード作りを常に実行し、彼はいかなる場合でも、常に無制限にお客様が増えた、という逸話が残っている。 

 小笠原流礼法では、『相手の「呼吸に合わせること」は、相手と「心が通うこと」に通じるのです。「息が合う」「息を合わせる」という言葉があるように、相手の呼吸に合わせられれば「この人とは気があうな」と好印象を持ってもらえます』とお辞儀の極意を説いている。

タバコを売るという行為に、心が込められていなければ、モルガン青年のマックジョブは自動販売機にとって代られる運命にあったに違いない。

「相続、より、添う族」(2018/02/02)

 配偶者の優遇を強く打ち出した、相続関係の民法改正要綱案が取りまとめられ国会で審議されることになった。

 配偶者が相続開始時に居住していた建物に住み続ける権利「配偶者居住権」を新設したり、婚姻期間が20年を超える場合に、配偶者が生前贈与や遺言で譲り受けた住居(土地・建物)を遺産分割の計算対象とみなさないようにするなど、配偶者がより多く相続できる仕組みが盛り込まれている。

 背景には、夫の相続時に法定相続分通りに遺産分割を行うと、妻が1/2、子が1/2となり、妻が居住用の住宅を相続すると現預金を相続する割合が少なくなり経済的に困窮してしまう、そんな事態を避けるための改正案となっている。

 民法は世間の常識を書き映すものだが、ここまで民法に規定しないと先立たれた妻が生活していけない世の中になったのか、という思いがある。確かに民法900条では法定相続分をうたっているが、法定相続分による遺産分割が相続人の権利であるとすれば、民法730条には「直系血族及び同居の親族は、互いに扶(たす)け合わなければならない」 民法877条には、「直系血族及び兄弟姉妹は、お互いに扶養する義務がある」と家族の扶養義務も謳っている。

 親のスネをかじりながら育ててもらい、親の財産形成には何一つ貢献できていない我が身を顧みれば、法定相続分の権利の主張などおこがましい、と家族へ寄り添う気持ちがあれば遺産分割で揉めようもない。 

「税は国家なり2018」(2018/01/01)

 国家を形成し、運営するために税収は不可欠であり「税は国家なり」と言われる所以でもある。国家予算に占める国債費・社会保障費のウエイトが高まり、税制が硬直化している。毎年の税制改正では国のやりたいこと(国民にとっては負担?)が色濃く反映される。平成30年度の税制改正を平たく解説すると、

① 個人の収入源が多様化しているので、給与収入の給与所得控除、年金収入の公的年金控除、事業所得者の青色申告特別控除をそれぞれ10万円引き下げ、そのかわりに基礎控除を10万円引き上げることを基本にして、低所得者に配慮しつつ高所得者には今まで以上の税負担をお願いする。経済的な余裕のない若者が増加しており、なんとしても結婚・出産につながる方策を打ち出したい。

② 賃上げを促すための所得拡大促進税制を見直し継続するので、従業員の賃上げを積極的におこなってください。

③ 中小企業の経営者が高齢化し中小企業数が激減する事態を避けるため、事業承継税制を10年間の特例として拡充し、中小企業の株式について贈与・相続による事業承継を行う場合、100%の納税猶予(実質の納税減免)により納税負担を生じないようにするので多くの中小企業の存続を願っています。合わせて経営者の個人保証によるネックも解消できるよう検討します。

④ 平成31年10月に消費税10%、低所得者への配慮のための軽減税率制度について安定的な恒久財源(酒・タバコ税アップ?)を確保します。