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経営アドバイス・コーナー

事務所概略

事務所名
東京GODO会計
税理士 多勢 陽一
所長名
多勢 陽一
所在地
東京都江東区亀戸
6-2-3田辺ビル6F
電話番号
 フリーダイヤル  0120-77-2514
FAX番号
03-3684-2740
Eメール
tase-yoichi@tkcnf.or.jp
業務内容
・パソコン会計による月次決算支援業務
・独立、開業支援業務
・経営相談に関する業務
お問合せ
東京GODO会計は
TKC全国会会員です
TKC全国会
TKC全国会は、租税正義の実現をめざし関与先企業の永続的繁栄に奉仕するわが国最大級の職業会計人集団です。
東京税理士会 江東東支部所属

WHAT's NEW:バックナンバー

「訳ありキュウリ」(2016/12/07)

 『今日、われわれの価値観は少しでもキレイなもの、かたちがそろったもの、手がかからないもの、速いもの、便利で楽なもの等、そういう方向ばかりを追求した結果、現在のような問題が起こっているのではないでしょうか。

 自然の世界は汚く、ぶざまで、不釣り合いであります。昔のトイレのように、くさいのが自然であります。
 最近では、曲がっているキュウリを「訳ありキュウリ」と呼んでいるそうですが、私から言わせれば、まっすぐできれいで、つやつやで全く虫のつかないキュウリの方が「訳あり」であります。ゆがんで、虫が食ったキュウリの方がよっぽど自然のキュウリであります。

 ゆがんだキュウリを「訳ありキュウリ」という、そういう価値観を改めていかなければならないと思うのであります。

 あいつが悪い、あいつがけしからん、というどんな争いでも元を正せば、すべて人我の争いであります。我をたてて争うのであります。

 我のないところにどうして争いがおきますか?』

              (「いろはにほへと」 鎌倉円覚寺 横田南嶺 法話集より)

 イギリスのEU離脱、アメリカ次期大統領にトランプ氏選出と選挙前の予想を翻して排他主義が勝利し、2017年はグローバルから反転、世界は内向き保護主義に傾斜するのだろうか。

 自然に暮らす「訳あり」が違う「訳あり」に権利を脅かされている、と非難した所で、自分たちだけに都合のいい「いいトコ取り」ができるほど地球は広くもなく、豊かでもなくなっていないか。

「揺れる想い」(2016/11/07)

 少子高齢化に伴う人口減少による労働力不足が日本の経済成長の阻害要因になるとして、6月に「ニッポン一億総活躍プラン」が閣議決定された。その一環として、女性の社会活躍を阻む壁(103万円の壁)が所得税の配偶者控除制度にあるとして、来年の税制改正に向け配偶者控除制度の廃止を含め抜本的な見直しが検討されていた。                        ところが「これを無くすと選挙に勝てない」の一言で急にトーンダウンしてしまった。

 配偶者控除制度は、家電製品が普及しておらず家事や育児がまだ重労働だった昭和36年に、家事を担う妻の役割を評価して創設された。働く女性は年々増え、夫婦世帯に占める専業主婦の割合は平成26年では38%まで減少しており、  配偶者控除制度の意味合いが薄れてきている。

 もう一つ、女性の社会活躍を阻む「第3号被保険者」130万円の壁がある。厚生年金に加入している人に扶養されている配偶者が「第3号被保険者」に該当し、自分で国民年金を払わなくても65歳から老齢基礎年金を受け取ることがでる。どんな状況になっても女性が公的な老後保障が受けられるよう昭和61年にスタートした。

 「第3号被保険者」の老齢年金年額が50万円だとして90歳まで25年間受給すれば、保険料の負担なく1250万円を受給することになり、これほど専業主婦に優しい制度はなく、半面、働く女性からは不公平との声も上がる。

 「家事を担う妻の役割」「女性の年金権の確立」女性への優しさが時代の流れに揺れている。

「決算書の信頼性」(2016/10/10)

 会社の決算書は、株主総会の決算承認を経て法人税申告書とともに申告期限までに税務署へ提出される。
 融資を受けている金融機関からは決算書の提出を求められる。取引先からは決算内容の問い合わせがあったり、      リサーチ会社から決算内容の確認問い合わせがある場合もある。また公共事業の入札に参加する場合、決算内容の開示が必須となる。

 当然ながら決算書は単一でなければならない。

 この決算書の見方は、税務署と債権者(金融機関)では視点が相反する。

 税務署は徴税の上で申告所得に間違いはないか、申告漏れに繋がる否違事項はないかという観点から決算書をみるし、金融機関や取引先は取引の安全性や融資金の保全から決算書の資産性に問題はないか、粉飾はされていないかという観点から決算書を確認する。                                                                                                                     売掛金という勘定科目を例にとっても、税務署は売上の計上漏れに繋がる売掛金が除外されていないかと確認し、金融機関は資産性の乏しい回収不能な売掛金が計上されてはいないかと真逆な観点から決算書の内容を確認する。 
 超低金利時代に突入し、借り手は低コストで資金調達が可能になったが、貸し手はむやみに連帯保証人を付けられる状況でもなくなり、融資金の焦げ付きを避けるべく融資先の査定はより厳しくなっている。

 「中小企業の会計に関する基本要領」という共通のモノサシに準拠した会計と決算書による情報開示が求められる 背景がここにある。

「現金は忙しい」(2016/09/09)

 「会社を楽にしたいと懸命に働いているのに現金がない」何度眠れぬ夜を過ごしたことか。

 資本主義は、投下された資本が社会を運動してより大きな現金となって回収され利潤や余剰価値を生む体制、と定義される。   経営は、会社の持っている創造力を社会が受け入れ、投資した現金をより大きくして回収ことを繰り返す行為なのだから、会社の現金は忙しく飛び回って当たり前、目の前に滞留しているわけもない。

 事業を始める時、潤沢な資本金をもって始める場合は稀で、大抵はなけなしの資金から始まる。売上が上がる前に設備や在庫を用意し、給与など固定費の支払いが先行するので現金は羽根が生えたように飛んでゆく。
 会社の業績が拡大するにつれ取引量も増えるので、蓄積される利益以上に現金は在庫や売掛金に出払ってしまい、人手不足から新たな募集をしてさらに固定費の支出も増え、懸命に働き業績が好調であるゆえ、納税資金が追い打ちを掛けて、儲かっているのにお金がないと資金繰りに追われる。
 会社が安定期に入り好調な業績が維持されていれば、ようやく納税後の利益の蓄積が現金の増加として現れ一安心まで漕ぎつける

 会社の現金がいつも手元には居てはくれないのだが、一定期間の後に現金として会社に舞い戻ることを確かめなければならない。  現金が行ったきりで帰ってこないワースト3は、①棚卸し、②売掛金、③過剰な固定費。        目を掛け続けないとすぐに増殖して現金を食いつぶしてしまう。      

「若肉老食」(2016/08/08)

 英国のEU離脱派の勝利、米国の大統領選挙におけるトランプ氏の正式候補など、今年の前半の特徴はポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭といえる。
ポピュリズムは、
「複雑な政治的争点を単純化して、いたずらに民衆の人気取りに終始し、真の政治的解決を回避すること」と訳されている。

 資本主義は、常に勝者と敗者を作り出す。自由貿易とグローバル化の発展過程では全員が勝者となり、資本主義は成長してきた。しかし、成熟期を迎え経済成長が鈍化するにつれ、一握りの勝者と多くの敗者を生み出すことになり、ポピュリズムによる保護主義が民衆に受け入れられる事態となった。

 日本では消費増税の先送りという「アメ」を打ち出して参議院選挙で与党勢力が勝利した。
 参議院選挙でも社会保障の充実が声高に叫ばれたが、有権者に高齢者の比率が高ければ高いほど、今日の利害と30年後の利害を問われれば間違いなく今日の利益を選択するのだからこそ、
痛みを伴う負担という「ムチ」もあることを明確にすべきではないか。

 「後代への負担のつけ回し」「若肉老食」と表現する造語がある。幼い孫を連帯保証人にして借金を繰り返し、今の生活水準を維持していると、言ったところだろうか。
 莫大な借金返済に苦しんだ「のび太」の子孫は、借金をさせないための監視役として100年後の未来から「ドラえもん」を送り込んだが、(
WHATS NEW 2012.09.03参照)

 安倍さん、「ポピュ」より「ドラ」にならなきゃ。

A Hard Day’s Night(2016/07/07)

 『まるで犬みたいに朝から晩まで働いて、きつかった。お金を稼いで君が喜ぶ色んなものが買いたくて、今日もくたくたさ。家に帰ったら丸太ん棒のように眠るさ、そんな思いの帰宅の夜道。でも家に帰れば何もかも満足さ。家に帰って、しっかり抱きしめてくれる君を感じると僕はきっと大丈夫さ』

(ビートルズ「A Hard Day’s Night」より)


 心理学者ウィルバーは、人類の進化の歴史は種の保存のために「個」が埋没していた時代から経済的な豊かさが伴い「個」を確立し、「個」を深め、やがて「超個」の時代に向かって行くと説いており、「エゴの暴走」も進化の大切なプロセスと言っている。

 
「愛するもののためなら自分を犠牲にしても尽くす」VS「何で俺が他人のためにこんなに犠牲を負ってまで働かなければならないの」

 ビートルズの母国、イギリスでEU離脱を問う国民投票が行われ、僅差で離脱派が勝利。世界の金融市場が動揺する事態を引き起こした。そもそも富裕層出身のキャメロン首相の国民はEU離脱を選択するはずがないというエゴに、労働者層は移民に仕事を奪われ、さらに貧しいEU加盟国のために今まで以上の拠出金は払いたくないというエゴが勝ってしまった様はエゴの暴走か。

 
ビートルズの歌には家族のために懸命に生きる「超個」が描かれ「エゴの暴走」など微塵もない。この家族愛の理念を民族間、国家間に広げていく「超個」が揺れている。


「お母さんの生き甲斐」(2016/06/02)

 消費増税が平成31年9月まで延期され、当然、食料品等を対象とした軽減税率もインボイス制度の導入も延期となる。消費者の立場としても、事務負担を強いられる事業者の立場としても増税延期を密かに願ってはいたものの、二度と延期しないはずの増税延期を発表してしまい、いささか拍子抜けだ。
 二度の延期で4年分の消費税収20兆円が歳入欠陥となり、赤字国債の増発による財政悪化も懸念される。

 安倍政権は「少子化・女性活躍の推進・教育再生」のため「働く意欲のある女性にとって働きやすい環境を整備するための見直しを丁寧に検討していく」として、そのための最大の課題である、配偶者控除の見直しをはじめとする働きたい女性が就労調整を行うことを意識せずに済むような税制改正を目指す考えだ。

 配偶者控除の廃止、配偶者控除の適用に所得制限、移転型基礎控除の導入などが検討されているが、所得控除をいくら弄り回しても効果は限定的ではないだろうか。働く喜びと損得計算を天秤に掛ければ、103万円の壁、130万円の壁があるように可処分所得が最大になるための最小労働を計算するはず。子と一緒にいる時間こそお母さんの生き甲斐だもの。

 そもそも方向性が真逆な「少子化・女性活躍の推進・教育再生」を一括りにして実現させようとすることに無理はないのだろうか。子は国の宝と言うのであれば、出産・子育てが女性にとってステータスが高く魅力的なことと感じられる社会の条件整備こそが不可欠と思うのだが…。

「参議院選挙に一考」(2016/05/05)

 都市であろうと国家であろうと、規模の大きな共同体ならば、時が経つにつれて欠陥があらわれてくることを避けることはできない。
 それゆえ、「医者」が必要になってくる。
 つまり、時代の変化につれて変わってくる要求に対処できるような、制度の改革が必要になってくるのである。
 ただし、この場合の医者でも、ヤブ医者であっては困る。改革の必要度が高ければ高いほど、それのできる力量豊かな人物の登用が求められねばならぬ。
 困難な時代には、真の力量を備えた人物が活躍するが、太平の世の中では、財の豊かな者や、門閥に支えられた者が、我が世の春を謳歌することになる。
 衆に優れた大人物は、国家が太平を謳歌している時代には、得てして冷遇されるものなのだ。なぜなら、彼の力量をもってすれば当然与えられるはずの地位や名声も、人々の嫉妬心が奪ってしまうからだ。
 これは共同体にとって有害この上もないことであると同時に、共同体自体の衰退につながる損失である。

(マキアヴェッリ語録「政略論」塩野七生著より)

 安倍首相がどんなに旗を振っても一向に景気が上向かずデフレから脱却できない原因に、人口減少による高齢化が挙げられている。景気の好循環は人口増加による人口ボーナスによって生み出される、というものである。
 人口増加をどのように実現するかを最優先の政策課題にあげる大人物こそ、選挙に出馬して欲しい。

「ひたむきに歩むものの幸せ」(2016/04/04)

 碁は芸術である。碁には個性、生き方、その人間のすべてが表れる。
無限に続く芸の道は厳しいが、ひたむきに歩むものは幸せだ。
人間を高め、力をつけよ。自分にしか打てない碁を追及せよ。
これだけは伝えたい。
強烈な努力が必要だ、ただの努力じゃダメだ、強烈な、強烈な努力だ。

名誉棋聖 藤沢 秀行

 AI(人工知能)とプロ棋士の囲碁対戦において1勝4敗で人間が負けた。すでにチェスや将棋ではAIが勝利を納め、次の手が200通り以上考えられる囲碁が最後の砦となっていたが、ついにAIが人間を超えるほど進歩し、しかも藤沢棋聖のような強烈な努力を重ねた先の最高レベルの頭脳戦での敗北となった。
 近い将来、5割近くの仕事はAIに取って変わられる、と騒がれている。
悲観する話だろうか。想像する力、創造する力を要する仕事や相手を理解したり、説得するコミュニケーション能力を要する仕事もAIにはできない。ひたむきに歩む人生の中で高められた個性を背景とした創造性とコミュニケーション力を付加すればどんな仕事でもAIは及ばない。

 正しいものや強いものだけではない、敗れたものや弱いものに寄り添うことができるのも人だし、敢えて回り道を選択できるのも人だからだ。
 『どんなつまらない仕事でも、単調な仕事でも、伸びる人っていうのは、どうしたら能率が上がるか、絶えず考えたり工夫したりする。失敗もする。その過程で「自分の方法」を見つけてそれをやっている』とも藤沢棋聖は言う。

「会社は黒字でなければ存続できない」(2016/03/03)

 会社の資金を増加させる要因は、①資本金を募る、②借入れをする、③利益を出して留保する、この3つしかない。①資本金を募る
 我が社の株式を喜んで買ってくれる人が何人いるだろうか。当然、出資者には利益を出して配当という形で応えなければならない。
②借入れをする
 金融機関も慈善事業ではないので、利息をつけて元本をキチンと返済してくれる信用のおける会社にしか融資はしてくれない。
③利益を出して留保する
 黒字=法人税の納税と直結するためか、黒字決算を毛嫌いする経営者も中にはいる。赤字だったら法人税を納税しないから得だ、という訳です。赤字決算は、赤字分だけ確実に会社から資金が流出する貧血状態を意味する。減価償却費の計上分で赤字になったとしても、結局その分の資金留保がされないため、その固定資産を買い換える資金は会社内には溜まらず、いずれ資産の新陳代謝が図れない老化現象がやってくる。

 不動産の価格が右肩上がりでインフレだった昭和の時代には、会社の決算は赤字でも不動産の含み益が赤字を上回っていれば、②の借入れをする作戦もマルでした。最悪でも不動産を売却すれば借金は決済できましたから。

 日本の総人口が減少していく状況が続く限り全国津々浦々右肩上がりは望めない。
会社の経営基盤を安定させるには、黒字にして実効税率30%のハードルを乗り越え、自己資本をできるだけ蓄積しなければならない。

「税は国家なり2016」(2016/02/12)

 国家を形成し運営するために税収は不可欠であり「税は国家なり」と言われる所以でもある。毎年の税制改正では国がやりたいこと(国民にとっては負担?)が色濃く反映される。平成28年度の税制改正大綱を平たく解説すると、

①消費税の軽減税率制度を導入して、買い物時の痛税感の緩和を実感して頂きます。軽減分の1兆円の財源確保は28年度末までに考え捻出します。

②軽減税率制度が始まれば、事業者には従来の「帳簿保存方式」に加えて「適格請求書保存方式」(インボイス)を導入し、国民の支払った消費税が事業者にとどまらないよう厳格に対処します。事業者の皆さんは平成33年までに「大変さ」に慣れてください。

③念願だった法人税実効税率20%台を実現するので国際的にも見劣りはしません。ただ財源の確保も必要なので課税ベースを拡大して法人税全体の税収は減らないようにして、法人優遇と非難されないよう努めます。

地方の偏在是正措置として地方法人税の税率を引き上げ地方交付金の財源として地方に配り、あわせて企業版ふるさと納税も創設して地方を元気にします。

⑤国際取引には目を光らせ租税回避行為がない様、国家間の連携を強化します。

⑥クレジットカードでも納税できるようにするので税金を納めてね。

 アベノミクス効果により税収は増加したものの、2020年までの基礎的財政収支黒字化目標には遠く及ばない。参議院選挙対策などと目先に捕らわれず、大局をもった社会制度と税制を実現してもらいたい。

「本末転倒」(2016/1/4)

平成29年4月の消費税率10%への引き上げ時に軽減税率の導入が決定し、外食と酒類を除いた生鮮・加工食品について税率が8%に軽減される。

所得の低い層について支出に占める消費税の負担割合が多くなる逆進性を緩和するための軽減税率であるが、導入決定までの右往左往は、自民と公明のメンツの張り合い、官邸と自民税調の縄張り争い、主計局と主税局の財務省内の主導権争いが繰り返され、最後は夏の参議院選挙を有利に戦うための政治決着となり、弱者救済とは程遠い所で法案が決定してしまったのが残念でならない。

統計上、日本の貧困率は16%となっており、960万世帯が世帯年収200万円以下で生活していることになる。今回の軽減税率が適用された場合の税収の減少額は1兆円とされており、この1兆円を960万世帯数で割ると1世帯あたり10万円となる。仮に200万円すべてを食費の購入に充てても軽減される消費税は4万円に過ぎない。いっそ軽減税率など止めて10万円を貧困世帯に振り向けた方がその世帯の消費税負担は大幅に軽減され、はるかに弱者救済にならないか。マイナンバー制度により所得の捕捉も正確にできることだし。

減収1兆円の軽減税率のためにあらゆる業種でインボイス(税額票)の発行が求められ、レジの買い替えなど事業者は更なる事務負担とコスト負担を強いられる。これらのコストが販売価格に加算され小売価格の上昇を招けば、消費者もいらぬ支出を強いられ、何が軽減なのか?

「発心正しからざれば万業も空し」(2015/12/3)

「ここ数年はずっと黒字で、借金も返済し続けていました。一度でもデフォルメ(債務不履行)を起こしておらず、銀行には迷惑をかけていません。確かに虚偽の決算資料に基づいて融資を意思決定させた瞬間はあったかもしれませんが、きちんと返済を続けているのに、なぜ銀行をはじめ皆さんはそんなに騒ぐのですか。破綻させなければいずれ必ず完済できたのに、破綻させたから返せなくなったでしょ。それにこの程度の会計処理は、地方の同族会社ではよくあること。なぜ僕らだけが責められなくちゃいけないのですか。見せしめですか」

「会社の株は100%、林原家が持っている。会社を経営する人と会社を所有する人が同一なので、どのように経営しても株主の利益と相反することはない。だから会社の財産と自分の財産の境目が曖昧になって、会社の資金を私的に使う同族会社は多い。外部留保とでも言おうか、いざとなれば創業家の資産を提供すればいいという考えを持っている。
しかし、企業を巡る枠組みは大きく変わりつつある。同族の中小企業だからと大目に見られていた部分が許されなくなった。そんな時代の変化に取り残されたのが、林原に他ならなかった」

トレハロースを主力に抜群の安定度を誇る同族会社と評されていたにも関わらず、不正経理に端を発して倒産に追い込まれた、林原靖専務林原健社長の発言と記述である。
会社清算による銀行への弁済率は93%と、潰す必要があったのかとの声もあるものの、やはり嘘で積み重ねたものはいずれ…

「改正マイナンバー法」(2015/11/4)

「プライバシー侵害をチェック」

 9月3日、改正マイナンバー法案が可決成立した。10月の全国民への番号通知に先立ち、番号保護と利用範囲の拡大の法制化が進んでいる。マイナンバーは本人を特定する新しいツールとして位置付け、多岐にわたる利用が検討される。

 改正法の利用範囲の拡大については①預貯金口座へのマイナンバーの付番、②医療等分野における利用範囲の拡充、③地方公共団体の要望を踏まえた利用範囲の拡充が挙げられている。①については預貯金口座への番号付番による個人資産の監視強化、②については個人の医療履歴へのプライバシー侵害など反発・反対を見越した先制とも…。
 預貯金口座へのマイナンバー付番はあくまでも預貯金者の任意となっているが、年金や子供手当など国や地方自治体からの給付金の振込口座はマイナンバーの付番された口座(本人が特定された口座)に限定されることは必至であり、是非を問わず普及するだろう。
 医療情報については、単身や旅先での救急に際してマイナンバーを介して適切な医療措置を受けられるなどのプラス面もある。

 個人情報保護法と番号利用法を改正して、一層の個人情報の保護と有用性を確保することになっているが、やはり国家のプライバシー侵害という被害者意識は拭えない。
 29年1月から開始される個人専用サイト「マイナポータル」で行政機関が持っている個人情報や情報交換の履歴が個人番号カードで確認できる。「個人番号カード」を取得しよう、侵害を憂う前に自己防衛。

「ジャパンウエイ」(2015/10/1)

 やった、歴史的大勝利。
ラグビーW杯、優勝候補と目される南アフリカを相手にノーサイド直前に逆転トライを決めた。引き分けよりも勝負に拘った最後の5分間は手に汗握る展開で映画のラストシーンでもこうはいくまい。選手たちの運動量、忍耐、勝利への執念に感動した。この感動に辿り着くまでの練習量もさぞ凄まじかったろう。
 エディージョーンズHCは、日本が海外の強豪チームにパワーや身体面で敵うはずもなく、日本人の真面目で忍耐力がある強みに着目して俊敏性、フィットネスを厳しい練習で鍛え上げ、
動き続ける「ジャパンウエイ」を確立させた。国粋主義を主張する協会幹部の意見を避け、勝つための意欲があれば国籍を問わず登用した。
『最高のチームになるには勇気が必要です。新しいことに挑戦する勇気です。勇気とスキル、強靭な心があれば、どんなことも可能です。私たちにはスキルもタフさもあります。思考と行動の両面で勇気を持つことが私たちのプライオリティとなります。
日々の生活の中で「勝つ」という姿勢を持つことは必須条件です』

 このエディー流のジャパンウエイに、閉塞した僕たちの突破口が見えてこないか。
 自分たちに恵まれた環境がなければ、身体を動かすしかない。そんなの解りきったことなのに、いつの間にかサボってしまったかもしれない。いや、身体は動かしていたが、やり慣れた今まで仕方を漫然と繰り返しただけではなかったか。

「吾唯足るを知る」(2015/9/1)

 国の借金が1057兆円となり過去最高を更新したと財務省が発表した。国民一人一人が連帯保証人みたいなものと考えれば、とっくに限界…。

 『「豊かになる」ということは、「豊かさに慣れる」ということで、つまりは「危機」に対して鈍感になり、危機への対処能力が鈍化されることへつながります。
「豊かさに慣れる」ということは、豊かになってしまった「外側の状況」に対応して、自分自身の欲望を解き放ってしまうことです。解き放って、その栓を締めるということが出来にくくなることが「豊かさに慣れる」です。

だから、いくらでも「未来予測」が甘くなります。「それでも何とか成ってきた」と思うから、「これから先も何とか成る」と思って何も考えないのです。

 「何とか成るはず」思い込んでいて、その思い込みが崩れた時、人の欲求不満は爆発します。どうしてそうなるかと言えば、「何とか成る(はず)」を可能にしていた豊かさが、「欲望は全開にされてしかるべき」とだけ思い込ませて、「欲望をセーブする」というノウハウを教えなかったからです。

 「何とか成る(はず)」が成り立たなくなったら、その不可能状況に立ち向かって「何とかする」ということを主体的に実現しなければなりません。でもそれは絶望的に体力のいることです。それが出来るような訓練を受けていなければ、人はすぐにポシャッてしまいます。』(大不況には本を読む(橋本治著)より)

「義を見てせざるは勇無きなり」(2015/7/15)

 『ジャイアンが、みんなが買い物に使う平和通りのゴミ掃除をしているので、親友のノビ太が後方から手伝っていたら、突然悪い奴らがジャイアンに襲い掛かり、後方にいたノビ太に、「お前もコイツに加勢したら、お前の家族を含めてタダじゃ置かないぞ」と睨みつけてきた。』

 ケンカはしないと公に約束しているノビ太はどうすればいい? 集団的自衛権の行使って、こんなノビ太にジレンマを突き付けている。

 ジャイアンのケンカの最中に、無抵抗のノビ太が殴られたり、野比家に石が投げられたら、ケンカをしない約束は置いといて個別的自衛権があるので最小限の実力行使はできる。果たしてノビ太がまだ睨まれている段階で「義を見てせざるは勇無きなり」と集団的自衛権を行使して手を出してしまっていいのか。
 力任せのジャイアンに頼り切って家族付き合いをしてきた野比家の周りは、強大な力を付けてきた何でも欲しがる隣町の番長や、何を仕出かすのか解らない異人や過去にこだわる隣人などが幅を利かせ、騒がしいのも事実。

 一人よがりで力任せのジャイアンではあるが、その上をいく隣町の番長や話すら出来ない隣人と比べれば、頼もしくて陽気なジャイアンと「危ない時には助け合おう」と親友の契りを結んでおくことも重要なこと。

 しかし、親友の契りをノビ太一人の独断でしてはいけない。ジャイアンや隣町の番長、異人・隣人との付き合い方を野比家の家族会議で決めるプロセスこそが国民主権。

「憲法を守る一番バッターは誰」(2015/7/3)

 集団的自衛権の行使を容認する安保関連法案の可決を目指す安倍政権に対して、憲法学者が軒並み憲法違反を表明する事態に至った。

 憲法9条で戦争の放棄、戦力及び交戦権を否認しているが、自衛権はあるので、日本が攻撃された時に国民を守るための最小限の実力行使(個別的自衛権)は認められる、というのが政府見解であった。この見解では集団的自衛権の行使、海外での武力行使はできない。本来ならば国民投票による憲法改正の合意を経て決めるべき内容を、閣議決定による解釈変更で突破しようとするところに無理があり、憲法学者が反対するのも道理。

 日本国憲法前文では「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」

 99条では「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う」と定めている。

 憲法に縛られる側の都合で勝手に解釈を変更して、自衛の措置ならば何でも可能にしてしまえば、憲法の信頼を損ない法治国家の前提を崩壊させはしないか。
憲法を守る義務を課されているのは国民ではなく政府のはず。

「マイナンバーまでの長い道のり」(2015/6/5)

 来年から「社会保障・税番号制度」(マイナンバー制度)が始動する。
遡れば、
昭和40年代後半に検討された「国民総背番号制度」から50年を費やして日の目を見ることになる。

 「国民総背番号制度」は、各省庁、手続ごとにばらばらに付番、管理していたコードを統一して行政の効率化を図ることを目的として検討された。しかし、国家による個人のプライバシー侵害をおそれる国民の強い拒否反応に加えて、労働組合の反合理化闘争(郵便番号反対など)などもあり実現できず。
もし、実現されていれば
「消えた年金」が社会問題にはならなかったかも?

 
昭和55年、国会で成立した「グリーンカード制度」。当時、元本300万円までの預貯金の利子が非課税になる「マル優」制度があったが、その取り扱いがずさんで一人で仮名を使って多数の口座を開設する不正が横行していた。不正防止の切り札として「グリーンカード」の取得を義務付ける内容だった。
制度開始まえに仮名口座から大量の資金が流出したため、金融機関、郵便局長会などが激しく反対し、郵政族議員などから廃止の議員立法が提出され、多くの国民も同調して
昭和60年に頓挫。以後、番号制度はタブー視され続けた。

 
平成15年「住基ネット」が稼働し番号制度は運用されたものの、拒否反応からの制約が多すぎて限定的な利用に止まり普及せず。

 
平成19年「消えた年金」が大きな社会問題となり、第一次安倍政権は崩壊へ。

 
平成21年、民主党は消えた年金問題から「税と社会保障の共通番号制度導入」を公約として衆議院選挙で大勝。平成23年に「社会保障・税番号大綱」を決定し、マイナンバー関連法案が国会提出されたが、消費増税約束解散により廃案に。
衆議院選挙で自民・公明が与党に返り咲き。

 第二次安倍政権が誕生し、よもや民主党が取り組んだマイナンバー制度を承継することはないと思われたが、前回の反省からか
平成25年、番号関連法案が可決成立、平成28年「社会保障・税番号制度」(マイナンバー制度)始動。
(マイナンバー制度/TKC出版刊より要約)

「ジェントルマン(優しい人)」(2015/5/8)

 一次相続から二次相続発生までの年数の統計では、夫→妻の順番の場合16年、妻→夫の順番の場合が8年と2倍の開きがある。
 一般的に妻よりも夫の方が年上だろうし、平均寿命だって女性の方が長いのだから当然ともいえるが、この統計を聞いて「お母さんが亡くなってからお父さんは何をする気力も無くして亡くなっちゃった」と相続の相談にきた娘さんが話していたのを思い出した。

 夫が亡くなった後、妻が16年間生活していくためには3000万円程度の生活費が必要になり、年金だけではとても追いつかない。夫の相続が発生し、遺産総額が1億6千万円に満たない場合などでは、すべての遺産を配偶者が相続し、その遺産を配偶者の生活費に充てていき、それでも残った財産があれば子が相続するのも一案。

 相続税の基礎控除を超える遺産があっても、配偶者の法定相続分相当額と1億6千万円のいずれが多い額までは配偶者の取得した遺産については相続税が課されない、配偶者に対する相続税の軽減措置も後押ししてくれる。

 「あなたのように強い(hard)人がどうしてそんなに優しく(gentle)なれるの?」とヒロインに問われ、
葉巻を燻らせたハンフリー・ボガードが「男は強くなければ生きていけない、優しくなければ生きている資格はない」と応じる名シーンがあるが、
「頼りにされている」という意識が男の生き甲斐、生きる支えなのだ、と恰好をつけたくなる統計数値でもある。

「たわけ」(2015/4/10)

 『愚者をたわけと言うのは、田を分けることが愚かなことだからという冗談のような一説もあった。
耕地は最も安全なる財産であり、かつてはそれ以外に生計の基礎となるべきものが考えられない地方さえ多かった。

 日本の家族制度では、過去三百年以上の久しきにわたって、家の根幹を逞しくしようとする長子家督制度と、どの子も幸福にしてやりたいという分割相続法と、二つの主義が相闘い、または妥協し続けてきた。

 家を強くするということは、総領の権力を大きくしておくことであった。それは次男以下の者に、長兄とは比べものにならぬような悪い生活を辛抱させることであった。家が一番早く弱るのは農産物の収穫量の減ずることで、これでは多くの人を養うことができないので、やたらに分家を出し田地を分けようとしなかった。
 先祖から譲られた家督は本家に属する。それを削って家を弱めては先祖にすまない。子供を沢山もったのだから止むを得ないと、腰の曲がる年まで野山の空地を探し出して、次男以下に遣るものを開きだそうと苦労をしていた人も少ない数ではなかった。死んだ後はご先祖様として山の神となり、春には里に降って田の神となり秋の終わりにはまた田から上がって山に還ると考えられてきた。』(先祖の話/柳田国男著より)


 相続には子子孫孫までの安寧を願う、ご先祖の優しさが込められている。この心遣いが解らず、戦後に出来た法定相続分だけを自分の権利と勘違いすると「たわけ」の争族になってしまう。

「デフレ≒モッタイナイ」(2015/3/4)

 安倍政権は政策運営の要に「デフレ脱却・経済再生」を謳い、日銀は物価上昇率年2%を掲げ異次元の量的緩和を実施してお金を市中に流通させて、緩やかなインフレによる経済の活性化を目論んでいる。インフレ時では物の値段は今が一番安く、明日は必ず値上がりするので、「いつ買うの?今でしょう」と消費に走ることになり、モノが売れれば経済は好循環する。
 しかし、日銀の量的緩和はあわせて円安を招き、売値も上がるけど輸入価格も上昇して仕入値がそれ以上に高くなり、目の前をモノとお金が目まぐるしく回る「骨折り損のくたびれ儲け」だけになってはかなわない。
 インフレ率2%が10年続けば物価は20%上昇、同時に貨幣価値も20%下落するので相対的に借金も20%目減りする。自力で借金を返すのが難しい国にとってもインフレは大助かり、の効果もある。

 デフレってそんなにダメなことなのか。地球環境やエコの視点からデフレを考えてみるとモッタイナイ精神と共通してくる。デフレは今日よりも明日の方がモノの値段が安くなるのだから、大事に使って長持ちさせればさせるほど、次のモノを買う時には安くて良いモノが買える。供給過剰でモノ余りを起こしている現在の日本にあっては必要なモノのほとんどは家庭内に収まっている。
 「水道の蛇口をひねると衛生的で美味しい水が必要なだけ使えるように、品質の良い便利な商品をより安くより多く提供する」ことを夢見た松下幸之助の願いはすでに実現している。

「税は国家なり」(2015/2/4)

 国家を形成し運営するために税収は不可欠であり「税は国家なり」と言われる所以でもある。毎年の税制改正では国がやりたいこと(国民にさせたいこと?)が色濃く反映される。

 今年の税制改正で国がやりたいことを平たく言うと、デフレ脱却・経済再生のため、
①法人税率を下げるから利益を出して法人税の納税をお願いします。
②贈与税をオマケするので年配者から若者へ資金をシフトしてお金を費消して下さい。
③地方を元気にするため、会社の地方移転を優遇し、ふるさと納税枠を拡充するので協力下さい。
④国際取引に目を光らせて税金の徴収漏れを防ぎます。
⑤消費税率10%増税の先延ばしは二度としません。

といった事になる。

 よほど世代間の資金シフトに思い入れがあるのか、住宅取得資金贈与の非課税枠を最大3000万円まで拡充し、教育資金一括贈与の非課税枠1500万円の第二弾として結婚・子育て資金の一括贈与の非課税枠1000万円を創設する。さらに子ども版NISAを創設して親の資金を株式市場に呼び込む作戦も盛り込んだ。
 民法877条では、直系血族及び兄弟姉妹はお互いに扶養をする義務があると定め、教育や生活のために親族から資金提供を受ける場合には贈与税は及ばない範疇のはず。
 非課税枠を選択して銀行に預金した場合、孫・子が資金の必要な時に出向く所は銀行であって祖父母の所ではなくなる。お礼はメール、では何とも寂しいかぎり。孫・子が遊びに来たつどに10万円ずつ手渡した方が長幼の序も保たれ、しかも250回も楽しめる。

「社会保障・税番号制度」(2015/1/6)

 個人を特定し、その人に関する情報を正確かつ効率的に名寄せ・突合を行いきめ細やかな社会保障を給付する目的で、国民と全法人に番号を割り振る「社会保障・税番号制度」(マイナンバー)が来年1月から開始される。具体的には、10月に国民一人一人に個人番号が記載された「通知カード」が郵送される。
 年金・福祉・医療の分野でワンストップサービスが実現されれば便利この上ないが、まずは保険の給付や徴収などの手続きのみでマイナンバーが使われることになる。
 
マイナンバーは、検索によっては社会保険診療を受けた過去の病歴、失業保険の受給に関する情報、過去の職歴や年金の納付状況といった個人情報が一元で確認できてしまう両刃の剣。従って、この番号情報については厳しい情報管理が要求され、悪用や情報漏洩、目的外利用についての罰則規定が非常に重く、故意に漏洩した場合、4年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金が科される。
 税の分野でも平成28年以降、確定申告書、源泉徴収票、法定調書へのマイナンバーの記載が決まっている。事業者も従業員のマイナンバー管理を迫られることになる。
 今年の税制改正大綱では
マイナンバーの適用範囲を個人の預金口座に拡大することを盛り込んだ。今のところ預金口座への適用は任意とし、国民の周知が進めば完全適用を検討するとしている。マイナンバーで国に個人財産が丸裸にされるといった懸念の声も現実味を帯びる。

「軽減税率は誰のため?」(2014/12/5)

 消費税10%への引き上げが延期された。平成28年4月の税率引き上げ時には、食料品など生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率が導入されようとしている。
食料品など生活必需品は所得の多寡にかかわらず誰でも一定金額以上は購入するので、所得の低い層ほど可処分所得に占める消費税負担が高くなる逆進性が指摘され、その逆進性を緩和する一つの方法として軽減税率がある。
 しかし
弱者救済とは裏腹に金持ち優遇の結果になりはしないか、軽減適用の線引きを巡って利権争いの火種になりはしないか。
 コメは最も身近な生活必需品だから軽減税率適用の第一候補。低価格の輸入米も高価格のブランド米も一律に軽減税率が適用されよう。可処分所得の高い人ほど高級ブランド米をいっぱい食べて消費税の負担なし、の現実にブランド米だけ線引きするのか。コメが軽減ならパンはどうしてくれる、と揉めること必至。
 イギリスの場合、ケンタッキーの唐揚げは税率20%、スーパーの唐揚げは税率0%。ケンタッキーのは暖かく、スーパーのは冷たいという販売時の温度差が軽減税率適用の判断基準だが、これが果たして弱者救済だろうか?
 フランスの場合、マーガリンは工場で作られるので税率19.6%、酪農家が作るバターは税率5.5%と国内産業を保護するための軽減税率となり本末転倒。
 今年から消費税申告書は税率の変遷(3→5→8%)にならい計算記入欄が1列増えて4列となった。税率区分ごとの集計確認に苦労している現場からも一声「これ以上複雑にしないで」

「130万円の壁」(2014/11/11)

 130万円の壁、ご存じだろうか。
 現行制度では、労働時間が一般社員の概ね4分の3(30時間)以上あるパート社員は厚生年金に加入しなければならない。これ以下の労働時間で年収が130万円を超えなければ厚生年金・健康保険に加入せず、夫の社会保険の被扶養者として基礎年金や医療給付を受けることができる。「家事をしながら家計の足しに」と考えて働く主婦と社会保険料の会社負担をしなくて済む事業者側の双方の意向が合致する点が130万円の壁となる。
 ちなみに同じパート社員の年収129万円のAさんと年収130万円のBさんでは社会保険料の自己負担分で15万円ほどBさんの手取額が少なくなってしまう。BさんがAさんと同じ手取額に回復させるためにはプラス25万円分の労働時間の投入が必要となる。

 国はこの130万円の壁が女性の社会進出を阻んでいると考え、2016年10 月から従業員が501人以上の企業で週20時間以上働く短時間労働者で、年収106万円以上、勤務期間が1年以上の人に厚生年金の適用を拡大することにした。
 これで本当に女性の活躍する働きやすい社会環境が実現するのだろうか。
新たな106万円の壁、週20時間の壁、勤続1年の壁を作り、勤労世帯の家計収入を減らす結果になりはしないか。子供を産むことは女性にしかできないという本質を直視した少子化対策こそ必要ではないのか。

 国の本音は厚生年金の適用者をどんどん増やして逼迫する年金財政をなんとか繕いたい所にあるのかと勘繰りたくもなる。

「今度は黙っていない」①(2014/10/02)

 毎年9月に厚生年金保険料率が引き上げられている。平成26年9月からは0.354%引き上げられ17.474%となり、これを労使折半で保険料を納める。料率引き上げは平成29年の18.3%まで毎年自動的に上がる。
 この悪しき厚生年金保険料率の自動引き上げがスタートしたのは10年前。平成16年の保険料率は13.58%だったから13年間に5%弱の引き上げとなるが、毎年は0.3%というわずかな引き上げからか、マスコミからも取り上げられず静かに進んでいる。
 
平成24年度の厚生年金保険収入は24兆1550億円で消費税収の1.5倍。その内、7200億円が料率引き上げ分に相当する。これが所得税や消費税の増税であれば大々的にマスコミに取り上げられ大騒ぎのはずだ。
 この法案が成立した平成16年は小泉内閣時代。年金改革法案を成立させた直後の参議院選挙では国民の批判を浴び民主党が勝利した。しかし郵政民営化を行財政改革の本丸と位置付けた小泉首相は、翌年の「郵政解散」で国民の圧倒的支持を得て長期政権を確立させ、年金改革法案反対の民意が消し飛ばされた時代背景がある。
 
29年以降、何もしなければ「100年安心プラン」は破綻する。厚生労働省の次なる手は、厚生年年金保険収入を維持するため更なる料率の引き上げか、年収130万円未満のパート労働者まで厚生年金に加入を義務付けるかのいずれかになろう。個人は将来の年金受給が増えるから我慢もできようが、割を食うのは半分の負担を強いられるだけの事業者じゃないか。

「魔法の数字」(2014/09/09)

 8月26日付けの日経新聞に「8%は魔法の数字」という記事が載った。
 『企業の自己資本利益率(ROE)が8%を超えると株価が大きく上昇する傾向がある。ROE=当期利益÷自己資本(株主資本)で計算されるので、株主から預ったお金を年率8%以上で増やすことができれば評価が一変し魔法がかかったように株価が上昇し、ROEが8%未満の企業は最低限の義務を果たしておらず「上場失格」の評価となる。東証一部企業の昨年度のROEは8.6%と日本株市場は魔法がかかる変化のとば口に立っている』と伝えている。
 ちなみにトヨタ自動車のROEは13.7%となっている。
 
この魔法の法則は中小企業にも通じるのかと、TKC経営指標を調べてみたら、やはり魔法の法則を存在していた。全企業平均のROEは6.7%に対して優良企業平均のROEは18.3%と高効率の水準にあった。中小企業の場合、役員報酬の取り方によって当期利益額が左右される傾向が強いので売上高に対する役員報酬割合を確認したら、全企業平均で5.0%、優良企業平均でも5.3%ほぼ拮抗している。
 自己資本利益率は、企業にとって厳しい指標である。頑張って利益を計上し内部留保を高めれば分母の株主資本の額が増加するので、更なる利益の積み上げがないと毎期8%達成は困難になる。
 株式非公開の中小企業には関係のない指標との批判もあるが、経営を安定させるためには自己資本比率を高める以外に手立てはない。毎期、税引後の内部留保額をコツコツと積み上げるしかない。

「価格転嫁」(2014/8/8)

 「柴又の寅さんも自腹分に泣いている。」という前回の締めのくだりに、あの寅さんが消費税を納税しているとは思えないので自腹を切ることはないのでは?という鋭い質問を頂戴した。
ご指摘のとおり、フーテンの寅さんのことだから、年間水揚げが1,000万円は超えていそうもないので、きっと免税事業者だろうと想像できる。

 テキ屋の寅さんは、「カドは一流デパート、赤木屋黒木屋白木屋さんで紅おしろいつけたお姉さんから、くださいちょうだいで頂きますと五千や六千はくだらない品物ですが、今日はそれだけ下さいとは申しません。四千、三千…どうだ千両だぁ。持っていきやがれ」と威勢のいい掛け声でバイ(商売)を展開していく。
 バイ(商売)をするための商品を500円で仕入れ、自分の取り分を最低500円と決めれば、5000円からセリ始め1000円まで下げてきて、「持っていきやがれ」の決めゼリフで商売成立、バンバン売れた。消費税のなかった昭和の時代はこれでよかった。
 今や500円の商品を仕入れるためには税込540円支払わなければならない。自分の取り分の500円を確保するための落とし所は1,040円となり、サラサラ流れるテキ屋の口上の決めゼリフとしては何とも間が悪い。結局「どうだ1000円!持っていきやがれ」となれば、寅さんの懐に入るのは460円で消費税分40円が自腹に。
 「どうにも切れが悪くてしょうがねえや」と寅さんのボヤキも聞こえてきそうだが、確かに寅さんのポケットに小銭じゃらじゃらは似合わない。

「俺の辛さも解っておくれ」(2014/7/7)

「俺の辛さも解っておくれ」

 法人税の実効税率を20%台まで引き下げるための代替課税として、赤字の中小企業に対して外形標準課税を適用する案が検討されている。
 外形標準課税とは、事業所の床面積や従業員数、資本金や付加価値など外観的に判断できる基準を課税ベースとして税額を計算する課税方式で、法人事業税でこの課税方式が採用されている。
 従来の法人事業税は所得金額×税率で税額を算出していたが、企業が営業活動を行うに当たって様々な行政サービスを享受していることから、これに必要な経費を企業が負担すべきであるという考えに基づき、従来の所得課税だけでは事業規模との関係が必ずしも適切に反映されないとの指摘から、平成16年から所得課税と並行して外形標準課税が行われるようになった。
 資本金1億円以下の法人は外形標準課税対象から外れているが、それを課税しようというもので絶対に反対!
 財務省主税局は、多くの中小企業が消費税の価格転嫁できない分について消費者に代わって税負担している実態を解っちゃいない。
 消費税を100%価格転嫁できれば、事業者は損も得もせず預かった消費税額から支払った消費税額を差し引いて納税するだけだが、税込売値を1.08で割り戻して「預り消費税」を計算するため価格転嫁できなければ自腹を切る羽目になる。
 中小企業の多くがこの自腹分を自分の役員給与を引き下げて穴埋めし、資金繰りをしているのが実態ではないだろうか。
 「俺の辛さも解っておくれ」柴又の寅さんも自腹分に泣いている。

「社会保障 破綻」(2014/6/6)

 消費税が8%に引き上げられて3か月が経過した。今回の消費税の引き上げの目的を「社会保障の充実・安定化と、そのための安定財源確保と財政の健全化の同時達成を目指す」と銘打つが、消費税だけでこの目的は達成できるのであろうか。

 日本の社会保障費は年金・医療・介護に大別され、それぞれが保険料を徴収し、その中で給付を行う社会保険制度を原則にしており、不足分を国の税金で賄う構図となっている。この不足分である国の一般会計に占める社会保障関連費は29兆円で一般会計全体の3割を占めるが、社会保険からの給付を含めた社会保障給付に係る全費用は110兆円という規模に膨れ上がり、高齢化の進展でこの予算規模は伸び続けることになる。法人税・所得税・消費税といった国税収入50兆円をはるかに凌ぐ社会保険収入を確保しなければ制度は維持できない。この社会保険収入を現役世代で支える現行制度だけでは少子化も相まって給付と負担のギャップが広がり続けてしまう。

 大胆な給付削減を伴う改革が急がれるが、そんな勇気のある有能な政治家はまず現れないだろうし、健康保険料・介護保険料・所得税・住民税まで天引きされ手取りが減る一方の年金に手をつけられても困る。
 自分の健康に対する意識改革と実践こそが社会保障費の抑制の切り札となる。誰しも病気や要介護状態は望まないのだから、幾つになっても健康な生活を維持すれば少なくても医療と介護のお世話にはならないで済む。

奥様は長生きがいちばん(2014/5/12)

 収入の少ない配偶者や孫が多額の預金を形成している場合、相続税の税務調査でしばしば問題になる。名義は被相続人のものではなくても、実質的には被相続人の所有する預貯金と認められるものを名義預金といい、被相続人の相続財産に該当することになる。

 名義預金は、①単に名義を配偶者や子・孫などの親族のものにしている、②形式的に贈与を行ったにすぎず実質的に贈与が成立していない、に大別される。
 妻が家庭の大蔵大臣を任されている場合、その家庭内に蓄財された預貯金の名義が収入の大半を稼ぎ出した夫から妻に転化されているケースが見受けられ、①に該当する。
 世の奥様方からすれば、大変な家事と家計を切り盛りしているのだから当然とも言える行為であり、相続税回避などという大それた考えなど微塵もないのだが、指摘の標的に。
 平均寿命どおりに夫、妻の順番で相続となった場合、夫の相続財産に妻名義の預貯金を加えて相続税の課税価格を計算しても、妻名義の預貯金は妻が相続すれば妻の取得財産が法定相続分相当額か1億6千万円までは相続税は軽減される。ここから導かれる相続税の教訓は「妻は夫より一年でも長生きする」ということになる。
 ②で多いのが、子や孫に内緒で贈与税の基礎控除(110万円)内の贈与を毎年繰り返し、贈与が成立したと思い込んでいるもの。税務調査では、例え贈与税の申告をしていても被相続人が引き続き預金の管理をしていたと認定されれば被相続人の名義預金とされる。

「優柔不断の末後」(2014/4/15)

『弱体な国家は、常に優柔不断である。
そして決断に手間取ることは、これまた常に有害である。
このことについては、私自身確信を持って言える。国家活動において、ものごとを曖昧にしておいたことが、フィレンツェ協和国にとっていかに有害であったかは、私自身が体験したことであったからだ。
決断力に欠ける人々が、いかにまじめに協議しようとも、そこから出てくる結論は常に曖昧で、それゆえ常に役に立たないものである。
また、優柔不断さに劣らず長時間の検討の末の遅すぎる結論も同じく有害であることに変わりない。
それが、たとえば、誰かを援助しようというものであっても、決定の時機を逸したというだけで、相手を助けられないどころか、こちらの害になって返ってくるものだからだ。
多くのことは、はじめのうちは内容が曖昧で不明確なものなので、これらははじめから明確な言葉で表すことは難しい。だが一旦決定しさえすれば、言葉など後からうまれてくるものであることも忘れてはならない。これらのことは、君主制であろうと共和制であろうと、すべても指導者が心しておくべきことである。』     (マキアヴェッリ語録 塩野七生著より)

東日本大震災から3年が経過したにも関わらず、未だに「情報は悪いものほど後に出し」などと揶揄する川柳ができるほど福島第一原発の四面楚歌が続いている。
悪い情報をいち早く取得し素早く対応し決断すれば、どれほど後の憂いを取り除いてくれることか。

「消費税≒年金」(2014/3/3)

 4月から消費税が8%となる。

 自分が支払った分は65歳から8年程度でもらいきり、後は誰かが支払った年金をもらう仕組みだから、みんなが長生きする現状では制度疲労を起こし、健康保険にいたっては後期高齢者健康保険の赤字の補填で健全だった健康保険組合が汲々している。
 この世界的にも稀な相互扶助システムを破綻させないため打ち出された消費増税。増税分の3%は年金を含む社会保障のみに支出される目的税となっている。
 試算では、消費増税後は年収600万円の四人家族標準世帯で8万円の負担増になるという。つまり、増税分は自分で支払っている健康保険料と年金に加えて、消費税という形で健保・年金を納付する構図になる。
 国民皆健保・年金制度の相互扶助の理念は、「労働とは、自分のために為すべきものではない。人のために為すべきものである。我々は、自分のためにのみ生きるのではない。人のために人と共に生きるために生きるのだ」という社会主義国家の理念に通じるものがある。社会主義制度が破綻してしまった原因は「自分さえよければ良い、すべては自己責任」という発想がこの崇高な理念に勝ったからだ。健保・年金制度の維持には日本国民の根源的な意識改革こそが急務だがハードルはかなり手強い。

 「自分の老後の頃は年金なぞ貰えないだろう」とぼやきながらも支払ってきた年金ではあるが、年金をもらう時期が近づくにつれ「ねんきん定期便」を眺めながら損得勘定をしてしまう。

「飲食費50%OFF」(2014/2/12)

 平成26年度の税制改正の目玉は、交際費の損金不算入制度の内、飲食費の50%については損金算入を認めるというもの。目の敵のように厳しく規制してきた交際費課税が緩和される。資本金1億円以下の中小企業はすでに800万円までの支出交際費は全額損金として認められる定額控除があるので、いずれか有利な方を選択適用することになる。早くも大企業への優遇処置との批判も上がっているが、ネオン街に活気が戻り中小の飲食店のお客も増えれば、これに越したことはない。
 もう一度、接待交際費を整理してみよう。法人税は「交際費等」の範囲を得意先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他の費用と規定して、接待に使用したタクシー代なども交際費に含まれることになっている。一方、もっぱら従業員の慰安、会議の際の茶菓・弁当の費用、一人当たり5,000円以下の一定の飲食費は「交際費等」から除かれる。
 今回、対象となる「飲食費等」(飲食その他これに類する行為)とは、得意先、仕入先等社外の者に対する接待、供応の際の飲食と規定されているので、社内飲食、中元・歳暮、送迎費用やタクシー代、ゴルフや旅行の際しての飲食だけを取り出すなどはNG。
 本来、交際費は会社の収益アップに直結しなければならないもの。費用対効果が確認できれば法人税の規定などに囚われず支出すべきものであるが、同時に経営への倫理観も求められる。
 売上UP→利益UP→交際費支出→売上UP→給料UPの好循環こそ求められる。

「ガンバレ、日本」(2014/1/10)

 まもなく始まるソチ五輪。「真央ちゃんガンバレ」「高梨沙羅の金メダルは確実でしょう」と日の丸を背負って頑張る選手の活躍を誰もが願っている。この声援こそ祖国愛であり、愛国心はだれでもが持っている自然な感情のはずだ。

 しかし、安倍内閣の国家安全保障戦略に「愛国心」を盛り込む話になると、「戦争できる国への序章」「生まれ育った国や故郷を嫌う人がいるだろうか。心の問題に踏み込み、もし政策として愛国的であることを強制するのなら恐ろしさを感じざるを得ない」と新聞紙上を賑わせ、こちらはどうも勝手が違う。

 藤原正彦氏はその著書「祖国とは国語」の中で、
 『英語で愛国心にあたるものに、ナショナリズムとパトリオティズムがある。ナショナリズムとは、通常、他国を押しのけてでも自国の国益を追求する姿勢、私はこれを国益主義と表現する。パトリオティズムは、祖国の文化、伝統、歴史、自然などに誇りを持ち、またそれらを愛する精神である。私はこれを祖国愛と表現する。家族愛、郷土愛の延長にあるものである。
 わが国では明治の頃から、この2つを愛国心という1つの言葉で括ってきた。これが不幸の始まりで、愛国心の掛け声で列強との利権争奪に加わり、ついには破滅に至るまで狂奔したのだった。
 戦後は一貫して、愛国心こそ軍国主義の生みの親とあっさり切り捨てられ、その一部分である祖国愛も運命を共にしたのである。心棒をなくした国家が半世紀たつとどうなるのか、が今日の日本である。
 祖国愛は、どの国民にとっても絶対不可欠の精神である。』

「正月の正の字」(2013/12/27)

 正月の《正》という字を辞典で引くとすると「何ヘン」で引くと思いますか?
昔の漢和辞典では「止」というヘンで引きます。《正》というのは、「一に止まる」ということです。「一を守る」それが正。一とは原点、一とは自分、一とはこのわたしです。自分が自分の原点に立ち帰る、それが正です。そして自分が自分の原点に立ち帰る月、それが正月。

 本来の自分とは何か?
「そんとく」「勝ち負け」お金の「有る無し」という比べる事をやめた自分、それは本来の自分です。子供が紅葉を見て「わア、キレイ!」と感動し、その落葉を大事に拾ってくる「そんとく」のない子供心、それが本来の心です。感動することにお金は一銭もかかりません。「そんとく」を離れた人間本来の自分に立ち帰る月が正月です。
 ふだんの私達の現実生活は、いつも「そんとく」「勝ち負け」という「比べっこ」に振り廻されているから、一年に一ぺん、そういう世間的な「比べっこ」をやめて本来の自分に帰ろうというのが正月です。

 正月の行事である「修正会」(しゅうせいえ)。何をどう修正するのでしょう?
昨年やってきたことのあやまち、失敗を反省し、同じ事をくり返さぬ様、自分の原点に立ち帰って、自分の生き方の軌道修正をするんですね。そして自分の事ばかりでなく、世の中の平安や人々の幸せをも合わせて祈願する。正月とは「そんとく」で歪められた自分の軌道修正する月ともいえます。

(一生感動一生青春 相田みつを著より)

「経営者の仕事」(2013/11/29)

 経営者の主たる仕事は、会社の売上高を高めることでも、コストダウンの先頭に立つことでもない。経営者の主たる仕事は、そんなことではなく次の三つであり、そのためにこそ、存在理由がある。

第一は、企業の進むべき方向を明示し決断することであり、

第二は、全社員がその方向に向かい、全身全霊で価値ある仕事が実行できるような良い職場環境を用意してあげることであり、

第三は、後継者を発掘・育成することである。


 あえて言えば、この三つ以外の仕事は、経営者は大してやらなくても良い。経営者がこの三つ以外の仕事を張り切ってやればやるほど、企業内に指示待ち社員が増えるばかりか、社員の思考能力を奪っていく。
 三つ以外の仕事は社員を信頼し任せればいい。

(経営者の手帳 坂本光司著より)

「+3%のおもてなし」(2013/11/8)

 事業を行う者にとって重要なことは、「すでに起こった未来」を確認することである。社会、経済、政治において重要なことは、「すでに起こった未来」を機会として利用することである。それらの変化を認識し、分析する方法を開発することである。(ピーター・F・ドラッカー)

 現在の日本経済における「すでに起こった未来」とは何だろうか。
安倍政権は、日本経済の中長期的な成長戦略における「第3の矢」は投資減税に加え、TPPへの参加、公的規制の削減・撤廃を柱に捉え、来年4月からの消費増税を決定した。
 TPP、公的規制の撤廃、消費増税の何れを取っても、現在の産業構造が大きく変わることは必須である。すでに商売を始めている我々は既得権者という存在であり(そんな実感はまるでないのだが)、自分たちが何もしなければ権利を侵害される側にあるということが「すでに起こった未来」ということになる。
 消費増税という「すでに起こった未来」にしても手を拱いていればマイナスの要素しか出てこない。消費税が5%から8%に上がることを、(今まで+3%)の心配りとサービスを展開することと捉えれば道は開けるのではないだろうか。
増税前の駆け込み需要はお客様のニーズと捉えてどのように取り組むのか、対応が遅れれば増税後の反動減だけにさらされる。増税後の価格変更についてお客様への丁寧な説明と判りやすい価格表示の方法も検討しなければならない。

「法定相続分は正義か」(2013/10/4)

 民法は、相続の効力について896条で「相続人は、相続開始の時から被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する」、897条で「系譜、祭具、墳墓の所有権は前条にかかわらず慣習に従って先祖の祭祀を主宰すべき者が承継する」、900条で相続人の法定相続分を定め、902条で「被相続人は法定相続分にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定めることができる。ただし、遺留分に関する規定に違反することができない。」と定めている。
 人の財産は、「先祖から承継した家督」と「成人してから自分で形成した財産」に大別されよう。その財産の相続を法定相続分だけで分割して果たしていいのか。相続人には相続する権利と同時に相続する義務はないのだろうか、考えてみたい。

①「相続人は一切の権利義務を承継する」ことになるので、単純に法定相続分で相続分を決めてしまうと財産だけではなく債務についても法定相続分に従って責任を負うことに。連帯保証人の立場も承継されることも念頭に。

②「先祖から承継した家督」は子子孫孫へ承継すべき財産であれば、897条と同等で法定相続分の枠外にある財産が存在することを相続人は理解すべき。

③「自分の形成した財産」の行き先は民法になど任せず、自分で決めるべき。子がその財産形成にどれほど寄与したかを考えると、子が法定相続分を権利として主張していいものなのか。「長年連れ添った妻に全財産を」という902条の選択も。

「消費増税-事業者は損も得もしない」(2013/9/2)

 昨年8月に成立した改正消費税では平成26年4月から消費税率を8%、27年10月から消費税率を10%に引き上げ、消費税の使途は年金、医療、介護、少子化に限定されることになった。消費税率の引き上げ時期はこの10月上旬までに安倍首相が最終判断することになっている。
 消費税の納税者は国内において商品の購入、サービスの提供を受けた最終消費者である。実際の納税義務者である事業者は売上代金とともに預った消費税額から支払いに含めて支払った消費税額を差し引いた差額分を納付することになっており、理論上、消費税に関して事業者は損も得も発生しないことになっている。しかし事業者の消費税計算の事務負担と国庫への納税がなければ年間10兆円もの税収が確保できないのも事実である。
 現場における消費税関連の事務負担の苦労を知らない消費税点検会合の有識者からの、マクロ経済を考慮にいれた毎年1%ずつの消費税率の引き上げ提案や、税負担の逆進性を増幅しかねない生活必需品の軽減税率適用などの机上意見は聞くに耐え兼ねる。
 「事業者は損も得もしない」はずの消費税ではあるが、価格転嫁をキチンとしなければ事業者が消費税分の身銭を切らなければならなくなる。総額表示義務が一時的に緩和される。自社のプライス表示をどうするか。「販売価格を上げればお客様が離れてしまう」とあきらめる前にあらゆる知恵を絞ろう。法制化された「下請けいじめ防止法」にも精通しておかなければならない。

「重加算税」(2013/8/7)

 国税通則法では「納税者が税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出した時は、当該納税者に対し、重加算税を課す」と定めている。
 重加算税は、仮装して脱税した税額に+35%を重課税する行政罰であり、もちろん更に悪質な納税者に対しては刑事犯として司法制裁が科されることになる。
 では何を持って仮装・隠ぺいに該当するのか、国税庁は事務運営指針で例示している。
① 二重帳簿の作成
② 帳簿書類の破棄、隠匿、改ざん、虚偽記載、虚偽の証憑の作成、意図的な集計違算
③ 損金算入、税額控除の要件である証明書の改ざん又は虚偽の申請に基づいた書類の受領
④ 簿外資産の係る利息等の果実を計上しないこと
⑤ 役員賞与その他の経費を、簿外資金で支出すること
⑥ 同族会社であるのに、株主等を架空の者や単なる名義人に分割して非同族会社を装うこと


 領収書の改ざんや売上金を計上せず社員の飲食で費消した場合(法人税・所得税)、意図的に預金を家族名義に移した場合(相続税)なども重加算税の対象となり、「ほんの出来心」「知りませんでした」「うっかり」「誤った助言で」では済まされない。

「交際費800万円までOK?」(2013/7/7)

 安倍政権の景気浮揚と中小企業の活性化の一端を担う政策として、この4月以降、開始する事業年度から資本金1億円以下の中小企業が支出する交際費について年間800万円まで全額損金算入が認められることになった。
 法人税法上の交際費の範囲は社会通念上の交際費の概念より幅広く定められ法人税関連法規で事細かに規定されている。果たして法人の支出する交際費の実態がどうなっているのか、気になって国税庁がまとめた会社標本調査結果を確認してみた。
資本金別階級別交際費の支出額は
資本金1千万円未満で54万円、
1千万円から5千万円未満で117万円、
5千万円から1億円未満で300万円、
1億円から10億円の法人で支出交際費が812万円という内容であった。
 また、全法人のうち、利益法人の支出した年間交際費の平均が235万円、欠損法人の場合の平均は85万円となっている。
 交際費を800万円以上使う、資本金1億円超の法人は交際費の全額が損金不算入は据え置きであることを考えると、今回の中小企業の支出交際費800万円まで全額損金算入という大盤振る舞いの改正の割に、この恩恵を受ける法人はどれほどあるのかしら? まぁ、支出交際費の10%損金不算入が撤廃されたことがせめてもの救いか。
 交際費は支出の相手先や事業との関連性が明確にされない場合、使途不明金や役員賞与と認定されることから、税務調査の場面では厳しく調べられる項目の一つでもある。適正な会計処理を心がけたい。

「ほどほど」(2013/6/5)

 『がんになる人とならない人の違いを見分ける方法は今のところない。健康な細胞が突然がん化するのは、様々な偶然が重なりあった結果だ。がんになるか否かは「運命」なのである。遺伝するがんは確かにある。しかし、せいぜい5%以下で、7割くらいのがんは、生活習慣と環境汚染によるものである。発がんの重大原因のランキングと、がん死亡全体に占める割合は次のとおりである。
①喫煙(21%) ②野菜不足(21%) ③塩分の摂り過ぎ(14%) ④ウイルス感染(10%) ⑤運動不足(9%) ⑥エックス線検査(4%) ⑦大量の飲酒(3%) ⑧肥満(3%) ⑨大気汚染(3%)』(ほどほど養生訓 実践編 岡田正彦著)


 本屋さんに出かけると、この手のタイトルについ目がいってしまい、思わず買い込んでしまう。
『平均睡眠時間が6時間の人で、最も動脈硬化症の発症が少なく、睡眠時間が長すぎる人は血液の循環が滞り病気になりやすい。人間の体は、絶えず動いていることで健康が保たれる。』の行に、早く目が覚めて寝ていられない悩みも解消され、
『ストレスは本来、身体に適度な刺激を与え代謝を活性化するもの。確かに過度のストレスは心筋梗塞や脳卒中などを誘発するが、ストレスそのものは寿命に関係することはなく、いくらストレスが強くても命には関わらない。』の行には赤線を引きたくなる。
 毎晩のビールが欠かせない楽しみの私にとって、飲酒によるがん死亡割合が野菜不足の七分の一でしかない事が何よりの救いである。

「インフレ待望論?」(2013/5/13)

 将来的に物価が上昇するのであれば、今の内に現金を土地やモノに換えておこうという購買意欲が高まり、消費が伸びて景気が良くなる。物価上昇=貨幣価値下落となり相対的に借金も目減りし、借金漬けの国も助かるプラスアルファも目論んでインフレ目標2%を掲げる安倍政権。

 果たしてそうであろうか。トイレットペーパーが無くなる噂に店頭に行列したのは遥か昔の話。技術革新が日進月歩の現代、明日は今日より高性能なモノが安く買えることはみんな知っているから、買いだめなど誰もしない。土地にしたって人口減少でこれ以上の宅地は必要ない。デフレと言っても、みんなが買い物を我慢した清貧生活を送っている訳ではなくバブル崩壊後の長期不況で消費者が賢くなり、価格には囚われない機能などニーズに合ったモノを必要なだけ買うという購買行動を身に付け、それに呼応して供給側の経営努力によりモノの値段が下がっている健全な経済活動の結果とも言える。誰だって安くていいモノが欲しい。なんでもかんでも高かったバブル期に戻りたいとは思っていない。

 本気で日本をインフレにしたいのであれば政策が矛盾している。消費に水を差すような消費税率アップは撤回するのが筋だ。2%の物価上昇=貨幣価値下落となれば、毎年15兆円以上の国債は目減りする計算になる。「インフレで景気が良くなれば法人税と所得税の税収アップで消費税の5%や10%程度の税収は確保できます」くらいの強気の発言を麻生財務大臣に期待したい。

「売れないモノは売れない」(2013/4/5)

 安倍政権はインフレ目標2%を掲げ、大胆な金融緩和や成長産業への投資などの景気浮揚に躍起となっている。「景気が良くなっている」と国民が実感しなければ、夏の参議院選挙の結果や来年4月からの消費税増税に影響を与えかねない事態となってしまうのだから。
 デフレからインフレへの転換点は、家計が潤う前にモノの値段が上がってしまうので買い手側のニーズにあったモノしか売れない厳しい選別現象が起こる。やはりどんな時代でも提供するモノの商品価値を高める努力を怠らない姿勢こそが不可欠であり、イトーヨーカ堂の創始者である伊藤雅俊氏の言葉を戒めにしたい。

『どれほど一生懸命に作られたものであっても、売れない物は売れないというのが商売の世界です。商いというのは自分たちが作ったもの、提供したものに対して、お客様が価値を認めてくれてはじめて成り立つ。お客様が認めてくれなければパッとダメになってしまう。それが原点です』

『いま野菜の価格がものすごく高いですね。「不順な天候の中、苦労して作ったものですから、これくらいの価値は当たり前だ」と農業に携わる方は言いますが、あまりに高価なレタスは見向きもされず売れ残ってしまいます。余ったレタスはもう捨てるしかない訳です。そう考えますと、お客様が判断する商品の価値は商品を作った側の苦労とは関係がないんです。それが商人の世界です』

「競争力をつけるには競争するしかない」(2013/3/7)

 返済猶予法案が3月31日をもって終了。中小企業の「保護」から「自立」を促す政策の転換点でもある。

 戦後の高度経済成長期はモノを作れば売れた「売り手」の時代。モノが不足しているのだからインフレになるのが当たり前で苦しかったけれど借金をして不動産を購入しておけば資産価値が上昇し、資産の含み益を前提に金融機関も不動産を担保に資金を融通してくれた。経営者が経営をしなくても世間と一緒に会社が回ってくれていた、いわばインフレが会社を「保護」していた昭和の時代であった。

 平成に入りバブルが崩壊しモノは余り、購買者の嗜好に叶うモノしか売れない「買い手」の時代。モノが余り人口は減少するのだからデフレになるのが当たり前で、借金は高止まりのまま、モノは本来の自然法則に従い時間が経てば経つほど劣化してしまう。「買い手」の嗜好にあった商製品をラインアップし売り切り、現金を回収し再投資に回す迅速経営を目指さなければ会社は回らなくなった。この対応に乗り遅れた会社に「保護」の手を差し伸べたのが返済猶予法案だった。

 安倍政権はインフレ目標を掲げて船出したが、企業経営者にとって昭和のインフレ時代の再来という訳にはいかない。資本主義が競争原理をテコにする以上、「昨日と同じことを繰り返す今日」では競争に生き残れない。今日は昨日と違うことを実践し続ける自己変革を繰り返す「自立」から始めよう。
 「競争力をつけるには競争するしかない」

「孤高の人」(2013/2/4)

一流と呼ばれる人は常に努力をしている。
現状に満足することは決してない。時には自分の存在さえ否定してみる。今の自分を否定して新しい自分に出会うために、私は稽古という基本を日々、積み重ねる。
基本を身体にしみ込ませて体得しながら、積み重ねることが一流の条件である。

「大鵬幸喜 一流の条件」より

 孤高の人、横綱 大鵬が72歳という年齢で逝去してしまった。努力を重ね、強くなった大鵬の圧倒的な強さは別格で、ライバル柏戸との一戦にはテレビにかじりついて声援を送った。まさに大鵬はテレビのヒーローだった。
 戦後の平等教育とテレビ文化が大鵬のような「ひとり」で努力を重ね、「ひとり」で戦う生き方を忘れさせている、と「ひとり達人のススメ」の著者山折哲雄氏は訴える。
『戦後の平等教育によって人間関係は横並びになり、仲間内で簡単に群れるようになってしまった。群れていないと不安でたまらない人たちが多くなってしまった。テレビ文化が現代人の視覚を過度に刺激し、あの人は自分よりいい服を着ている、といった絶えず他人と自分を比較する習慣を身に付けさせてしまった。
 現代社会で、ひとりになれない人間は絶えず誰かと比較せずにはおれない「比較地獄」に陥り、自分が劣っていれば「嫉妬地獄」に移行してしまう。「嫉妬地獄」から身を離すためには「ひとり」でいる時間こそが必要だ。』

 テレビ放送が始まって60年。今さら、テレビのない生活など考えられないが、さして見たい番組がない時はテレビを消してみよう。

「健康體」(2013/1/10)

 日本人の平均寿命は男性79才、女性85才という統計になっているが、年金を受給し始める65才以上の平均余命は男性83才、女性89才となっており、男性は18年、女性は24年もの間、年金を受給することになる。
 そもそも受給期間を10年程度と見積もってスタートさせた年金制度であるから、収支バランスはすでに崩れてしまっている。そこで社会保障と税の一体改革として消費税率10%が打ち出され、平成26年以降は受給する年金とかかった医療費を「消費税」で全国民が負担していく構図となる。いずれ年金と医療に頼ることになるとしても、せめて身体だけは健康にして医療費の抑制に貢献したいものだ。

 「体」という漢字を昔は「體」と書いた。健康で生きるためには骨が豊かでなければならないことを昔の人は良く知っていたのだろう。人間の体には206個の骨があり、骨は姿勢を保ち身体を動かす役目に加え、骨にカルシウムを蓄え、その蓄えたカルシウムで血液の成分を作る役割も担っている。骨には重力をキャッチするセンサーがあり大きな重力や衝撃が加わると、骨は、その重力や衝撃に耐えることができるように骨を強くするカルシウムやコラーゲン線維の量を増やす。どんなに鍛錬した宇宙飛行士でも無重力の宇宙から帰還した時の骨の質量はかなり細くなっていると聞く。
 歩けば歩くほどかかとの骨にカルシウムが蓄えられ、健康な体が維持できる。マラソン大会の後「地球の重力が強すぎて」などと弱音を吐いてはこの自然の摂理に申し訳ない。

2013年(2012/12/25)

 また、新しい年がやってこようとしている。閉塞感から抜け出すためには何が必要なのだろうか。戦後の何もない、ただ生きることに精一杯だった時代に比べ、遥かに豊かな社会に生きている我々はあまりにも多くの事を望みすぎてはいないか。望むものが多すぎて自縄自縛になっていないか。
 視点を変えて考える2013年にしたい。

『人間というものは、無数に生まれては消えてゆく、生まれては消えてゆく感覚に対して、まとめて「自分」だと思い込んでいます。「自分という個体」として「固定した何か」があると思い込んでいます。それらはすべて錯覚です。生命の法則として、どうしても「私という確固たる存在がいる」という錯覚が生まれるのです。
「われわれは自我が錯覚であるにも関わらず、その錯覚の自我を土台・根本原因にして、自我・錯覚のために生きている。だから結果として、生きる道は一貫して怒りに狂ってしまう。その怒りを他人に表現しようがしまいが、自分を破壊してしまう」という人生の真理を理解してください。
 新しい人生論は「適度・適量を知る」「余分なものはカットする」自分で管理・管轄できる範囲です。管理しすぎても自己破壊ですし、管理できなくても自己破壊です。節度・適度を知れば、無限の苦しみが適度の苦しみになります。何か欲しいと思った時、「必要」と「欲しい」の差をつけてみる。必要以上に取らない、それが正しい謙虚な態度です。』(「怒らないこと2」より)

中村勘三郎を悼む(2012/12/09)

 『生きて、生きて、まあ、どう生きたかはともかくもそれでも生きた緑の葉っぱが枯れて、真っ赤な紅葉に変わり、あの樹の上から、このどうということのない地面までの、そのわずかな旅路を潔くもなく散っていく、まだまだ生きてえ、死にたくねえ、生きてえ、生きてえ、散りたくねえ、と思って散った紅葉の方がどれだけ多くござんしょ』
(「野田版 研辰の討たれ」 辰次を演じる中村勘三郎のセリフ)

 まだまだ、チャレンジしたいことが山ほどあったろうに。道半ばで倒れた、その悔しさが、今朝の日経新聞の記事を読みながらひしひしと伝わってきた。
 凡夫である我々は、この人の記憶をいつまでも忘れない、これこそがこの人が長く生き続けることであると信じて。

中村勘三郎を悼む(2012/12/09)

失敗の法則(2012/11/19)

① リスクをとるのを止める - 現状に満足して、リスクを取らなくなる
② 柔軟性をなくす - 状況が変わっても、頑固にそれまでの流儀を守り通す
③ 部下を遠ざける - 現場に出なくなり社長室に籠り、部下からの提言に耳を貸さない
④ 自分は無謬だと考える - 誤りがあっても認めず、自分の判断は常に正しいと考える
⑤ 反則すれすれのところで戦う - 倫理を無視して行動する
⑥ 考えるのに時間を使わない - 感情に流されて行動し、じっくり考える時間を取らない
⑦ 一貫性のないメッセージを送る - 混乱した、ばらばらのメッセージを従業員や顧客に送る
⑧ 将来を恐れる - 将来を悲観的に考えて、無気力になる

 米コカコーラ社の会長が語る失敗の法則である。経験が長くなればなるほど過去の成功も失敗も頭にこびり付き、守るものが多くなるにつれリスクをとる勇気がなくなり、自分で作り上げた常識に囚われすぎて、失敗の法則に嵌まってしまうということのだろうか。
 「変化に生き残るためには、大胆に自己否定せよ」これが失敗の法則に嵌まらないための自己革新につながることになるが、自分が自分を否定する、これほど辛い作業はない。
 「明日はいい事がきっとある」という楽観主義と「お客様の喜びのために」という情熱が力を貸してくれる。

ランナー(2012/11/01)

 昨今のランニングブームは高まるばかり。4年前だったら、マラソン大会の一週間前のエントリーでも楽に参加できたのに、東京マラソンでブームに火がついたのか、うっかりしていると定員締め切りの大会が続出し、大会へのエントリーも一苦労するようになってしまった。
 不思議なもので、レースに出るといつも終盤には「もう大会に出て走るのは最後にしよう」と思いながら走っているのに、二週間もすれば練習を再開し次に出場できる大会を探している。確かには走っている間は、日常的な思考回路から離れて走ることに集中するせいか別次元の爽快感がストレスを解消し、走った後のビールの味も格別で趣味のランニングが15年も続いている。
 雑誌「戦略経営者」の「走る経営者たち」という特集でTKCタートルランナーズ倶楽部の取材を受けた。ランニングが好きな同好の士の存在も継続の力になっている。
The Hare and Tortoise(地道に努力した者が勝利する)が倶楽部の合言葉。私の次のレースは11月25日、大阪マラソン。さあ練習しよう!

ランナー

税務調査が変わる(2012/10/15)

国税通則法の改正により税務調査の手続規定が整備され、平成25年1月から施行される。今までの国家権力を背景とする税務行政(強者)と一納税者(弱者)というありがちな構図から税務行政と納税者の対等化が実現されることが期待される。
 改正された国税通則法74条の9を要約すれば次の様になる。
『税務署長は、国税職員に納税義務者に対し実地の調査を行わせる場合には、あらかじめ、納税義務者及び税務代理人に対し、調査の旨及び次に掲げる事項を通知する。
① 質問検査権を行う実地の調査を開始する日時 ② 調査を行う場所 ③ 調査の目的 ④ 調査の対象となる税目 ⑤ 調査の対象となる期間 ⑥ 調査の対象となる帳簿書類その他の物件 など』

 従来の調査手続の多くは、日時や場所の事前通知はあったものの、調査の目的が具体的に事前開示されることはほとんどなかった。改正法に調査の目的を通知することが盛り込まれたことにより、事前に通知された調査の目的から逸脱した税務調査はできないことになる。
 また、税務調査の結果、申告漏れなどが指摘され更正処分による追徴課税をする場合や修正申告を勧奨する場合、原則として全ての納税者に課税理由の説明が義務付けられることになり、税務調査の現場における調査官の裁量権は大幅に限定されることになる。国民が適正な納税義務を果たすことを前提に、税務行政と納税者が対等な立場に立ち、税務行政の公正化、透明化が促進されることになる。

税務調査が変わる(2012/10/15)

経営アドバイス・コーナー 新設(2012/10/01)

ホームページの左上に経営アドバイス・コーナーを新設し、ご利用頂けるようになりました。
こちらでは、インターネット利用環境でいつでもどこからでも、自社の最新業績が確認できる「社長メニューASP版」や日本法令のビジネス書式が無料ダウンロードできる「ダウンロードサービス」などが利用できます。御社の業務にお役立て下さい。皆様にはいつでも利用することが可能なIDとパスワードを巡回監査時に設定させて頂きます。

≫経営アドバイス・コーナー

江東区 オリンピックを日本に!ゴルフ大会に参加 (2012/9/26)

江東区、商工会議所主催「オリンピックを日本に!ゴルフ大会」が若洲ゴルフリンクスで開催された。2020年東京オリンピックが実現した場合、ゴルフ競技の会場は若洲ゴルフリンクスになる予定だ。他にもオリンピックの16競技が江東区内で開催する予定となっており、地元の商工会議所としてオリンピック招致に熱が入っている。ロンドンオリンピックを上回る熱戦と感動を2020年、東京で見たいものだ。

ゴルフ大会は9組で開催され、東京GODO会計からは多勢陽一、多勢典子の二名が参加した。「オリンピックが開催されたらここでタイガーウッズもプレーするのかな」などオリンピックの話題に花を咲かせながら和気藹々のプレーを楽しんだ。新ペリアの隠しホールが見事にはまり、総合優勝は多勢典子という嬉しい誤算までついてきたゴルフ大会となった。

江東区 オリンピックを日本に!ゴルフ大会に参加 (2012/9/26)

負けて、なお (2012/9/19)

 ロンドンオリンピックで日本は過去最高38個のメダルを獲得し感動もひとしおであったが、私の一押しは女子サッカーの決勝戦、敗戦が決まった直後の宮間キャプテンの号泣。勝つための周到な準備と過酷な練習、それらのすべてを出し切って戦っても届かなかった無念さが、あのソックスを下ろし仰向けに倒れ泣きじゃくったシーンに現れていた。その負けを潔く受け容れ、再びチャレンジする覚悟ができたからこそ、表彰台のイレブンは思いっきり弾けていて清々しかった。

『「負けました」といって頭を下げることが正しい投了の仕方。辛い瞬間です。でも「負けました」とはっきり言える人はプロでも強くなる。これをいい加減にしている人は上に行けません』
『大事なことは、負けた経験や挫折感を、後の人生でどう生かすかです。生かす事ができれば、負けや失敗は人生の中で失敗にならなくなる。むしろ、とても大切な糧にできる』

 挫折の時に頼っている、谷川浩司九段の言葉です。谷川棋士といえば、大山康晴、中原誠、米長邦雄について史上四人目の四冠王となり当時最強の棋士と謳われた。しかし羽生善治の台頭により保持していたタイトルを次々と奪取され、悲運の棋士のイメージが強い。
 将棋に限らず勝利者は常に一人だけで、他は全部負けているのが現実。負ける事が日常茶飯事、打たれ強くなった我が身ではあるが、自分の決めたことに負けたくはない。

ドラえもん、生誕前100年 (2012/9/3)

 2112年9月3日は「ドラえもん」の誕生日。この9月3日は生誕前100年ということになる。
 22世紀、「野比のび太」の子孫「野比セワシ」は「のび太」の残した借金の返済にほとほと困り果て、悲惨な未来を変えるため「のび太」の世話係として送りこんだネコ型子守ロボットが「ドラえもん」という設定で、漫画ドラえもんは昭和44年、アポロが月着陸を果たした年から連載が始まった。
 昭和44年当時の「のび太」が小学4年生であれば「のび太」は現在53歳。その「のび太」の残した借金返済に野比家の子孫たちは百年を費やし、それでもまだ借金が残り困っている姿は日本の財政とオーバーラップしてしまう。
 日本の赤字国債はバブル景気による税収増で平成元年には発行を0にまでこぎつけ、更なる余剰金を国債返済に回せばよかったものを「ふるさと創生1億円」で大盤振る舞い、間もなくバブルがしぼみ平成6年から赤字国債の発行が再開し、平成23年には37兆円の赤字国債を発行し、赤字国債の発行残高は450兆円まで膨らんでしまった。(他に建設国債発行残高が247兆円ある)
 消費税3%分、6兆円の財源を確保し毎年の国債発行残高を減少させていっても完済まで120年。せめて赤字国債だけに限っても75年の歳月が必要となる。
 漫画ドラえもんは、「のび太」にふりかかった困難を秘密の道具で一時しのぎは出来ても調子に乗って使いすぎてしっぺ返しを食らうお馴染みの筋書きではあるが、ポケットから697兆円の国債がみるみる小さくなるスモールライトを出してくれないかな、「ドラえもん」

所長 多勢 陽一